遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

エリート官僚の不幸/東大法学部

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東大法学部(文科一類)の合格者の最高点が、東大経済学部(文科二類)の最高点を下回ったという。いわば東大法学部離れという現象は、今に始まったことではないようだ。

バランス感覚もある勉強ができる優秀な学生は、まあそんなに多くはないだろうが、東大法学部を出て官僚になるという従来のエリートコースを敬遠して久しいようだ。優秀な彼らは、東大経済学部を出て民間の高給取りになったり、海外の大学へ行って外資に就職するようだ。

あるいは、理系に鞍替えするという手もありそうだ。医学系は国内にとどまるだろうが、それ以外の理系の優秀な人材も、海外の大学で学業を修めてそのまま海外で仕事を見つけるという道筋も多くある。

この間の一連の政権政府の不祥事の後始末をしている官僚たちを見ていると、優秀な人間でなくとも、あんな馬鹿らしい仕事は嫌だと思うだろう。阿呆な政権の時にたまたま高級官僚だった不幸は、大学入試以降エリート街道をまっしぐらに歩いてきた彼らにとっては、憤懣やるかたないことだろう。

とはいえ、じっと耐えて、良い天下り先が降ってくることを夢見て何が何でも官僚の職にしがみついていなければ、不幸な老後が待っているのだ。優秀でない私のような人間から見たら、自分で老後を設計するしか仕方がなかった身からすれば、彼らの我慢は想像を絶する。

それなら、若いうちから高給取りになって豊かな老後を過ごす道を選ぶほうが賢明だという考え方から、就職先の多様性のある経済学部を選ぶのだろう。

安倍のお付きのような男で、灘高から東大を経て経産省に入ったまだ40代の秘書官がいる。経産省から官邸に引っ張られたようだが、時の政権の犠牲者なのかもしれない。惜しい人材だった。