遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太七段、女流棋士と初対局

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藤井聡太七段の公式戦の対局は、8月11日以来。

少し間隔があいたのと、対局相手が女流タイトルを四冠保持する里見香奈というので、待ち遠しい一戦だった。

里見は今年の3月に、棋士の卵が競う奨励会三段リーグ)を年齢制限(26歳)で退会となって、女性初の棋士の夢を一旦絶たれた。その後は、男性棋士に3連勝するなど、まだまだ存在感のある女流大御所である。

棋聖戦は、女流棋士の枠も用意されていて、里見は一局男性棋士に勝って藤井と対局になった。

藤井は、プロ入り後初の女流との対局だが、過去に三段リーグでは里見に一勝していて、藤井はその三段リーグを13勝5敗で一期抜けしてプロ入りしていた。

上の画像は対局開始前の様子。振り駒の結果、またもや藤井が後手番となり、先番となって少しのアドバンテージを持った里見は、しきりと扇子を使って体熱を下げているようだった。

里見の扇子は「不撓不屈」の墨痕鮮やかなもので、藤井の師匠である杉本昌隆の手になるもの。彼女は、10歳の年齢差と先手番と相手の師匠の扇子というアドバンテージで藤井に果敢に挑んだ。

両対局者が対局後の感想で認めたように、得意の「ゴキゲン中飛車」戦法で主導権を握った里見が、中盤までやや優位に立っていた。しかし、里見がやや緩い手を打った瞬間に、あっという間に藤井が勝ち切ってしまった。

両者1時間ずつの持ち時間は、藤井が里見より30分も早く使い切ってしまったのだが、時間を余していた里見はそれを十分使いこなす前に大勢が決まってしまい、残念な結果になった。

藤井聡太がデビューするまで、私の最も好きだった里見香奈。まだ26歳なので、まだまだ活躍する才能が残っている。応援しているので頑張ってほしい。

藤井は、この棋聖戦の挑戦者となるよう頑張ってもらいたい。彼のことだから、夏休みの宿題はもう終わってるかな。