遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太と将棋のハンディキャップ

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きょうは、藤井聡太のプロデビュー後ちょうど公式戦100局目の対局が行われています。

藤井君対局がある前日は、夜更かしをしないで次の日の観戦に備えます、私のことですが…。

2016年12月24日の加藤一二三戦がプロデビューですから、1年と7カ月(19か月)で100局を迎えるということは、月あたり5局を超えていて、一般棋士の3倍くらいの対局数だといえます。勝ちまくっているので、そういうペースになるのですが、ここまで84勝15敗(勝率8割4分8厘)となっています。

藤井君の直近の10戦の戦績は、7勝3敗と、彼のキャリアアベレージを少し下回っています。

対局相手のグレードが高くなってきているので、仕方がないところでしょうが、その他の要因に、先手と後手の手番の割合にあると思われます。

藤井君の直近10局のうち、あらかじめ手番が決められている順位戦の2局(先手1、後手1)を除いて、手番は「振り駒」(将棋ゲームの独自の抽選方法)で決められますが、彼は運悪く8番連続で後手番になってしまいました。

将棋の先手と後手の手番の勝利の傾きは、先手が52~54%くらいだといわれていますから、かなり勝率はアンバランスになっています。

一方、囲碁は、先番が「6目半」(中国ルールでは7目半)の「コミ」というハンディが付けられていますので、ほぼバランスがとれています。私が囲碁に興味を持ったころの先番のハンディは4目半でしたから、先番の勝率を見ながらハンディが改定されてきました。(1939年から4目半のコミが制定、1974年に5目半、2002年に6目半に改定。)

それにしても、直近10局のうち後手番が9局だったにもかかわらず藤井君は7勝3敗だったことは、さすがと言うべきでしょう。

私は、将棋の後手番の不利もハンディで少し解決できるのではないかと思います。

プロアマのハンディのような駒を落とす方式だとプロの将棋では勝負になりませんので、後手番は持ち時間(考慮時間)を1割程度多くもらえることにすればどうだろうかと思っています。
持ち時間のいちばん短い公式戦のテレビ将棋は10分の持ち時間ですから、先手10分、後手11分。
いちばん長い順位戦だと6時間持ちですので、先手6時間、後手6時間30分。
みたいな持ち時間によるハンディがいいと思います。

ということで、今日の対局はあらかじめ手番が決まっている「順位戦C1組」(年10局あり全棋士が先手・後手5局ずつ持つ)で、藤井君は先手番で戦っているところです。