遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

女として落ち度があった/BBCドキュメンタリー

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英国の国営放送BBCは、日本で起こった伊藤詩織さんの事件のことを取り上げたドキュメンタリー番組を28日夜に放送した。実名で、安倍や山口や中村の名前が出てきたこの事件の一部始終を見た大勢の視聴者が、「日本は文明社会でも先進国でもない」とコメントしているようだが、そのことに気づいていないのは他でもない我々日本人なのである。

「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送

その中で、日本の女性の衆議院議員が出演し、インタビューに顔出しで以下のように答えている。

《一方で番組は山口氏を擁護する人物として、自民党杉田水脈議員を取材した。杉田議員は、ネット座談会などで伊藤氏を強く批判している。

番組の取材に対し杉田議員は、伊藤氏には「女として落ち度があった」と語った。

「男性の前でそれだけ(お酒を)飲んで、記憶をなくして」、「社会に出てきて女性として働いているのであれば、嫌な人からも声をかけられるし、それをきっちり断るのもスキルの一つ」と杉田議員は話している。議員はさらに、「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」と断言。伊藤氏が「嘘の主張をしたがために」、山口氏とその家族に誹謗中傷や脅迫のメールや電話が殺到したのだと強調し、「こういうのは男性のほうがひどい被害をこうむっているのではないかと思う」と述べた。》

この真実とは程遠くねつ造の可能性大な発言をめぐって、ツイッターでは杉田に非難が集中したが、それを受けてさらに水田がツイートしたものが以下。

杉田 水脈 @miosugita
もし私が、「仕事が欲しいという目的で妻子ある男性と2人で食事にいき、大酒を飲んで意識をなくし、介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むような事をする女性」の母親だったなら、叱り飛ばします。「そんな女性に育てた覚えはない。恥ずかしい。情けない。もっと自分を大事にしなさい。」と。

この国会議員は、自分の発言の隅から隅まで責任を持てる人間なのは当然で、あたかも詩織さんが「男性のベッドに半裸で潜り込」んだかのような記述は、今後物議をかもすと思われる。国会でも取り上げられるべき発言であろう。自民党の中からも問題視する声が上がって当然だと思われる。

私は、件のドキュメンタリーの杉田の出演部分を見たが、あの薄笑いの表情で「女として落ち度があった」と述べる国会議員を見た英国の人たちが、どんなことを思ったのか実に興味深い。恥ずかしい限りである。秋の総裁選挙に立候補する予定の野田聖子は、あれを見たら烈火のごとく怒るのではないだろうか。安倍チルドレンがまた問題を起こしたでは済まされない問題であろう。