遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

水道・民営化で暮らしが破壊される

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我が家族、最大5人で暮らしていた頃、年間の上下水道料金は14~5万円だった。まさに湯水のごとく水道水を浪費していたと思う。二人暮らしになった今、年間の水道料金は5万円(月額4千円)前後にまで節水できている。
夏場は、よくシャワー(ノズルの節水機能が秀逸)を使うが浴槽に湯をためるのは週1回くらい。二人分の洗濯物はぐっと少なくなり、食器類は手洗いを極力なくし食洗器(節水機能が秀逸)を1日に1回動かす。雨水タンク(150ℓ)に溜まった水は植木の水やりなど土に還元する。これで月額4千円程度にまで節水できている。

水道「民営化」から「再公営化」へ。パリ、市民参加で45億円のコスト削減、ウェールズ、非営利法人による運営


国鉄(JR)、専売公社(JT)、電電公社(NTT)、郵政(JP)などの民営化に続いて、我が国の自治体で運営されている水道事業が民営化されようとしている。

法律で定められた耐用年数40年を過ぎた水道管は「ほぼ地球一周分(3万8千キロメートル)」もあり(2014年)、これはさらに増えてきて、2018年時点では地球一周分を軽くを超えているだろう。

何かことあれば、断水したり、水道管やマンホールから水が噴き出したり、水道管が地下で破損した影響で道路が陥没したりするニュースをよく目にするようになっている。40年以上前に埋設された水道管は、鉄製のもので老朽化が著しいと聞く。

パリでは、民営化した後の水道代が2.5倍以上になったようで、また公営事業に逆戻りしたという。そういう世界の実態を知っているのか、「世界的に民営化傾向にある水道事業」というお上は、嘘つきなのか無知なのか、想像力がないのか思考停止状態なのか、国民生活をどう思っているのだろうか。

当たり前のように水道の水をそのまま飲める国に育った私たちからしたら、鉄さびで空洞部分が細くなり水質も劣化して来ているはずの水道を、コスト削減だからと放置して民間に丸投げにしようとするお上の考えが納得できない。

収入が途絶えて料金を支払えなくても、水道だけは最後の最後まで止められることはない命を繋ぐ事業である。今までの民営化事業も由々しき問題だったと思うが、こと水道は今までの民営化事業とは一線を画す、いのちや暮らしにかかわる重大な問題である。赤字が続く水道事業だから打ち捨ててよいものではない。

そもそも、水道事業は利益を上げるための事業ではない。営利が第一目的ではないのだ。赤字になって困るなら、原発、兵器、リニア新幹線、万博、カジノなどの無駄使いを止めていのちや暮らしにかかる金に回せ。国民はみな真面目に税金を納めていて、インフラ整備はその対価なのだから。