遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ヘンリー王子の婚約と種族について

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英ヘンリー王子、米女優と婚約 来春挙式

【ロンドン共同】英王室は27日、チャールズ皇太子の次男のヘンリー王子(33)と、交際相手の米女優メーガン・マークルさん(36)が今月上旬に婚約したと発表した。来春に式を挙げる。2人はヘンリー王子が住んでいるケンジントン宮殿で生活する予定という。
 英メディアによると、英王室の儀礼ではヘンリー王子の結婚には祖母エリザベス女王の許可が必要で、2人は既に婚約を女王に報告した。女王は「非常に喜んでいる。幸せを願っている」とコメントした。
 
このニュースでは触れられていないが、婚約者のメーガン・マークルさんは、離婚歴がありアフリカ系(母親がアフリカ系アメリカ人)だという。このマークルさんの特質が結婚へのネックになるだろうと言われていたようだが、ここに来て女王も祝福しているようだし、めでたしめでたし、といったところだろう。

「何であんな黒いのが…」発言の山本前地方創生相に、このヘンリー王子の婚約について感想を聞きたいものだ。

かつて読んだジャック・カーリーという作家の「イン・ザ・ブラッド」というミステリーでは、主人公たち二人の刑事と、遺伝学者とのまさに「イン・ザ・ブラッド」な会話が印象的だった。

地球上の人種(種族)は、血が混ざった方が健康でより強い種族になっていくといったような話だ。

人類が誕生して15万年。地理学的に別れていった種族は、互いに持つ種族的な弱点を血を交えることによってより健康で頑強になり得る。文明が発達して人は移動が容易になり、血がミックスされ得る速度は飛躍的に高まってきた。それでも、今のペースで血が混ざりあって、地球で種族がなくなるまで30~40代1000年はかかるだろうと、本書で遺伝学者は語る。

長いようで、あっという間の1000年のような気もする。すべて同じ人種の地球人。それが私たちの進化の到達点なのだろうか、始まりなのだろうかと考えてしまう。

著者のカーリーは、血のミックスを嫌う白人至上主義者たちが、やがてもっとも「軟弱でヤワな人種」になると警告したいのだろう。アーリア人でなければ人でないと言ったヒトラーや、メキシコ国境に壁を作るんだというトランプや、日本にもいる国粋差別主義者に代表されるような「種族」に対する痛烈な批判が込められている。

黒だ白だ黄色だと肌の色や、種族の区分けなどもうどうでもいいのではないか。英国王室の王位継承順位第5位の王子の未来の配偶者がアフリカ系なのだから。

ダイアナさんも、「さすがは私のヘンリー。好きな人と一緒になればそれでいいのよ」とあの世で息子の婚約を喜んでいることだろう。