遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太四段と高校進学

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きょうの藤井聡太四段は、豊島将之八段(27)と棋王戦タイトルの予選トーナメントを戦い、残念ながら敗れました。プロ入りしてこれで四敗目となりました。

さすがに、相手の豊島八段はA級の棋士で強いことこの上ないのですが、藤井君の指し手はどれをとっても嫌な一手ばかりで強さを感じたようです。

次の藤井君の対局は9月2日の加古川清流戦の予選トーナメントになります。さしあたりは、この若手限定の棋戦の優勝を私は願っています。

また翌9月3日には、NHK杯戦の放送で森内俊之十八世名人(46)との対局が予定されています。これまた楽しみな一戦であります。

藤井君は、22日には朝日杯の予選トーナメントで一日2勝を飾っていました。その際に、「夏休みの将棋の勉強に割く時間は?」という記者の質問に、「7時間くらいです」と答えていましたが、すごいですね。藤井四段は中高一貫校に通っていて、高校入試のための受験勉強は必要ないとはいえ、将棋の勉強を1日に7時間もできるというのは、よほど将棋が好きなのでしょう。とはいえ、やはり天才は努力ができるのでしょうね。(努力できるのが天才なのかもしれませんが。)

ところで、彼は高校進学はするのでしょうかね。私は、それがかなり気にかかっています。

藤井君の場合、大阪や東京の将棋会館で対局するのが一般的なのですが、実家の瀬戸市から通っています。そのなかには前泊や後泊が必要な対局も含まれていますから、いまの中高一貫校に通う限り、そのような対局が続きます。

私は高校へ進学しないで棋士の道だけを選んで、とてつもなく強い棋士を目指してほしいと思っています。

高校へ行くメリットは、今の学友がそのまま高校へ進学するので、友達関係というか人間関係が深まるというのはあるでしょう。しかし、社会性の面では、藤井君はしっかりした成人と同等の社会人だと見て取れます。将棋界に身を置いているだけで、相当に社会性は身についていると思われ、これ以上学校で身に着ける必要はないように感じます。

お母様は、せめて高校だけは出てほしいと思っておられるようですが、彼はもうすでに社会的にも経済的にも、普通の少年ではなくなっています。そして、将棋界のお宝のような人間ですから、進学しないで、東京(あるいは大阪)に住まいを移して「実家からの遠距離通勤」をなくして、将棋の道を究めてほしいと願っています。

九月から新学期です、憂鬱な中学生も多いと思いますが、藤井聡太は対局予定もあって溌溂としているように感じます。