トランプ大統領は、選挙公約のひとつだった医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃を、取り下げた。法案通過のための共和党の賛成票が不足、つまり共和党の賛同を得なかったからである。就任早々最初のバッターボックスで、バットさえ振らせてもらえず「見逃しの三振」を喫した。痛快なことこの上ない。
福祉の後退は、共和党議員から見ても、自分たちの選挙民に良い傾向ではないと判断された結果だと思われる。
また、トランプの移民対策は、連邦各州の裁判所が司法省の命令を差し止める態度を示している。つまり、「うちの州では、トランプが何と言おうが入国制限はしないよ」と連邦政府に盾突いているのだ。
トランプが大統領になってしまうひどい米国という国だが、それでも成熟した社会は「多様性と持続性」を失っていない。
もう三振しているにもかかわらず、審判を抱き込んでバットを振り回している。(審判というのは、政府には何でもセーフという司法のことである。)
共謀罪などが通ってしまうと、誰しもが個人的な通信を傍受され盗聴されチクられてパクられてしまうようになる。共謀罪はそういう立て付けになった、政府に盾突く国民や組織をしょっ引くための法律なのだ。だから過去の総ての共謀罪が廃案になってきたのだ。