遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ルサンチマンについて

イメージ 1


「今日のことば」、第4回目は「ルサンチマン」です。

ルサンチマン(仏: ressentiment)とは、主に弱者が強者に対して、「憤り・怨恨・憎悪・非難」の感情を持つことを言う。
ニーチェによれば、ルサンチマンを持つ人とは「本来の『反動』、すなわち行動によって反応することが禁じられているので、単なる想像上の復讐によってその埋め合わせをつけるような徒輩」である。
ルサンチマンを持つ人は非常に受け身で、無力で、フラストレーションを溜めた状態にある。つまり、実際の行動をとるには社会的な制約があり、自身の無力を痛感している人である。そういう状態にあっては誰であっても、ルサンチマンを持つ状態に陥る。
社会的に強者であれば、嫉妬や反感といった感情に主体的に行動することができるため、フラストレーションを克服することができ、そのため、仮にルサンチマンの状態に陥ったとしても、一時的なものでしかないとされる。
反対に社会的な弱者はルサンチマンから逃れられない。フラストレーションをむしろ肯定し、何もできないことを正当化するようになる。社会的な価値観を否定したり、反転した解釈を行うようになる。こういった自分の陥っている状態を正当化しようとする願望こそ、奴隷精神の最大の特徴であるとする。

哲学的素養はまったくない私なので、ルサンチマンニーチェのことは皆目知らない。「ツァラトゥストラ」は、リヒャルト・シュトラウスの音楽しか知らない。なので動物的勘でルサンチマン噺を一席。

「社会的弱者はルサンチマンから逃れられない」とあるが、私は強者であっても社会に対して憎悪や恨みを持っていると思うのだが、そういうのは「ルサンチマン」とは呼ばないのだろうか。

ともかく、「反知性主義」もその傾向にあるが、特権階級に対するルサンチマンや恨み妬みのような病理が格差社会には多く漂っているように思う。私も僅かにその傾向があるが、ニーチェの力を借りることなく克服したりできなかったり。悩みは消えることはないのだけれど…。

日本の政治と投票行動に例えれば、一見お気楽で知性的で無能集団の民進党や、一見教条的で知性的でどこか怖い頭脳集団の共産党には投票したくなくて、お莫迦なお金持ちになれる夢をきっと叶えてくれるはずの自民党や、「This is ルサンチマン」みたいな維新の会や公明党に投票する。
このような私の想像上の投票行動が、ルサンチマンを持つ人々の密やかな反動のような気がする。

そういう世のルサンチマンを巧く利用することに、自民党は長けていると思う、選挙屋だし。維新の会や公明党は「カリスマ教祖」様みたいのが立派だからなあ。

民進党共産党に辟易としてるけど、自民党や維新の会には絶対投票したくないルサンチマンを持たない層は、面倒くさい選挙は棄権。ルサンチマンを持つ人々は、静かに自民党に投票。それらが、投票率の低さと自民党の圧勝に繋がっているのかもしれない。

民進党共産党は、小賢しいことをあまり言わないで、庶民の懐に飛び込んでいかないと明日はないような気がする。修行が足りないよ。
頑張ってくれないと、君たちの明日だけじゃなくて、日本の明日がなくなってしまうよ。

100分de名著 ニーチェ ツァラトゥストラルサンチマンを克服せよ』 Part1~4