2016-12-28 奈良散歩・元興寺の甍と禅室 写真 #建築デザイン 天平の甍(いらか)は、759年建立の鑑真和上が開いた唐招提寺の甍の代名詞です。金堂は葺き替えられましたが、講堂などは一部まだ創建当時の瓦葺きのままのようです。 その天平の甍より200年ほど古いのが元興寺の甍です。(画像) 元興寺の屋根瓦は、飛鳥から移築された法興寺の瓦が一部いまだに現役です。法興寺は西暦596年に蘇我馬子によって建立されました。その時に焼かれた古式瓦が元興寺の甍として今も健在であります。 1400年以上前の瓦は、茶色や薄灰色などのモザイク模様が、まさに古色蒼然たる趣です。 元興寺は、興福寺、東大寺、西大寺 (さいだいじ)、薬師寺、大安寺(だいあんじ)、法隆寺とともに「南都七大寺(なんとしちだいじ)」と称されました。東西220m南北440mの大きな寺院でしたが、徐々に衰退し現在の規模にまで小さくなりました。 小さい境内に残された本堂や禅室(上の画像)は、国宝指定の建物であります。