遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

原子力規制委員会こそ「石棺」入りだ

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チェルノブイリ原発事故から30年。「石棺」と呼ばれるコンクリートで密封された事故を起こした原発は、30年を経て老朽化が始まり、さらにその「石棺」を覆う巨大なドームシェルターがこのほど完成した。

シェルターは石棺の横に建築され、40時間をかけて移動して「石棺」にかぶせられて、今後少なくとも100年間封印されることとなる。雨風にされされていた「石棺」に、事故後30年後にピラミッドのような覆いがかぶせられる。
シェルターは、長さ162メートル、高さ108メートル、アーチ間の幅257メートル、重さ3万6千トンの巨大なかまぼこ形の金属製構造物。

一方、1976年に稼働し始めた関西電力美浜原発は、40年を超えて再稼働するための申請が原子力規制委員会で認められた。再稼働するなら、原発の隣にチェルノブイリのようなシェルターを作ってからにしてほしい。何か事故あればとりあえず2時間内にシェルターで原発の建屋をすっぽりと覆ってほしい。そこまでやっても、「とりあえず」の安全対策であり、一旦原発が事故れば、万年単位で放射性物質の漏出対策が求められる。

道路にぽっかり大穴が開いても、1週間で復旧できる。通常の「事故」は、それが起きてしまった時から復旧を開始できるのだが、原発が事故れば、その時点から被害が半永久的に広がり大きくなっていく可能性がある。そういった可能性のある唯一の人工的な危険物が、原発をはじめとする核処理関連施設なのである。

福島の原発事故の副作用は、計り知れない。住民避難によるふるさと喪失、甲状腺がんなどの健康被害の増大、農作物・海産物などの風評被害に加えて、東電による国や国民への莫大な事故処理費用(十数兆円)の負担請求と、計り知れない被害状況だ。

安い電気を供給する原発などというたわごとは、もはや石棺のなか閉じ込められたも同然だ。

原発を動かすなら、シェルターを隣に造ってからにしろ。できないなら再稼働はするな。政府御用の原子力規制委員会も、石棺入りだ。