それよりも、もっとも大きくて重い争点は「憲法改正」だ。国会の議席の3分の2を改憲グループ(自民・公明・お維新・こころ・新党改革)が占めるかどうかということだ。この参議院選挙で民進党が勝とうが、共産党が勝とうが、政権交代はないし、日本が共産主義の国になることもない。ただし、民進党や共産党や社民党や生活の党が躍進しないと、「暗黒の世」を形成するとんでもない憲法改正が実施されることになる。その時の政権は、あれほど力説していた経済政策などそっちのけで、強固な暗黒社会を作り上げ継続することを画策するのである。
そんな大事な参議院選挙ですよと、私を含め暗黒の世を恐れる人たちはネットで警鐘を鳴らし続けている。
やっぱり自民党に投票しようと思っているあなたに知ってほしい7つのこと
イギリスのEU離脱とか、国際情勢も不安定だし、こういう時はやっぱりなんだかんだ安定を求めたいし、与党に入れとこうかしら」
っていうひとって、結構多いんじゃないかと思います。普通の感覚だと思います。
そう思ってる人に、今回、7つのことをお伝えしたいと思います。
2今回、あなたが野党に入れて、野党が勝っても、政権交代は起きません。そもそも衆議院選挙じゃないですから、政権選択の選挙ではありません。当然、経済政策等が劇的に変わることはありません。むしろ、たいした変化は起きないのです。
3民進党が信用できなくても、共産党が怖くても(私は実際どうなのかは知りませんが)、そんなことははっきり言ってどうでもいいのです。彼らが今回ちょっと勝ったって、どうせ与党になるわけではないのですから。いま重要なことは、現在の政権与党を今回勝たせたら、日本が立憲民主主義の国でなくなるかもしれないということです。
4わかりやすくデフォルメして言えば、あなたが共産党に投票しても日本が共産主義の国になる可能性はゼロですが、あなたが自民党その他の改憲勢力と言われる人たちに投票すると、日本が立憲民主主義の国でなくなる可能性が、現実的危険として生じます。
5今回野党が勝つとどうなるか、その場合の変化は、むしろ自民党の中に生じます。自民党の中で、本当はあんな改憲草案は憲法じゃないよねと思っている人たち。日本は、分厚い中間層をしっかりと回復させながら内需主導の経済を確立し、自由で民主的な国としてしっかり国際社会の信頼を確保していかないとね、と思っている人たちが、ついに意見を言い始めます。
6あなたが信頼し、国際情勢が不安定な時には安定感を求めて応援したいと思う自民党って、むしろ、そっちの人たちじゃないですか?あなたが今の自民党に投票することって、そういう懐の深い保守政党だった自民党の息の根を止めることになりませんか?
7ちまたで、今回ばかりは野党に、という声が出始めているのは、つまりそういうことです。今回ばかりは「新しい判断」が必要です。
もちろん、投票行動は、それぞれの判断です。ただ、少なくとも、選挙には行きましょう!絶対に行きましょう!
(文:水上貴央/弁護士)