遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

将棋新名人佐藤天彦にあっぱれ!

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第74期将棋名人戦七番勝負で、羽生善治(45)名人に挑戦していた佐藤天彦(28)がシリーズの対戦成績を4勝1敗として新名人になった。

1937年に始まった名人戦は、戦時中を除いて1年に1回挑戦手合いがおこなわれてきた伝統ある最高峰に位置するタイトル。佐藤天彦新名人は、名人史上13人目の名人である。初タイトル獲得で、一気に棋士のトップに躍り出た。

写真は名人になったばかりの佐藤(5/31夕刻)。この日はパステル調の和服でさわやかなイメージだが、第3局に来ていた羽織は深紅だったし、紫の時もあったりと、ファッションにも気を使う20代。名人戦は2日制の手合いなので、前日と同じ和服を着るのだが、羽織の紐は日によって変える。普段は、長髪にマッチしたタイトなブラックスーツを着ているイメージがある。腕時計などもこだわりがあって幾つも持っているような気がする。

またクラシックが好きな棋士で、今回はベートーベンだかモーツアルトだかのメロディーを口ずさんでいるのを、ネット中継のマイクに拾われている。対戦相手が席を外した時に自然と口ずさんでいるようだ、ちなみにその対局は唯一負けた対局で、その後4連勝して一気に頂点を極めた。

まさしく、名人というのは棋士の頂点。J1リーグのようなA組の10人が1年間闘って、名人への挑戦者になる。その下のリーグは、B1、B2、C1、C2、C3とフリークラスとあり、A組も含めてリーグ内で1年間の成績により上位と下位の棋士の入れ替えがある。棋士はどこかの組に属していて、上の組を目指して名人戦リーグを戦っている。
今回名人になった佐藤は、2006年にデビューして2015年にA組に昇って来ていきなり8勝1敗して挑戦権を獲得し、このたび名人になった。

モーツァルトベートーヴェンを愛する趣味を持ち続け、グルメには目のない女子力満載で、服装に気を使ったおしゃれな新人類であり続けて、かつ将棋もめちゃくちゃ強い名人であり続けてほしい。強けりゃいいんでしょうだけじゃない、ゆとりのある新名人に拍手喝さいを送りたい。その調子で暮らしていきなさい。

敗れた羽生善治は、それでもまだ3冠を保持している。次はチェスの世界チャンピオンも狙ってほしいものだ。