遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

クイーン・エリザベス号/大阪港

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カーラジオで偶然知った情報。豪華客船クイーン・エリザベス号が大阪港に寄港するという。大阪には初めての寄港。

実は去年の今頃、インド洋で発生したサイクロンの影響で、クイーン・エリザベス号が予定になかった神戸に入港したことがあった。その時に見に行こうかどうか迷っていて結局断念したこともあって、今回は冥途の土産にぜひ一度会いに行こうと重い腰を上げた。

さいころに繰り返し繰り返し見ていた船の図鑑。その図鑑で一番のお気に入りが豪華客船のクイーン・メリー号とクイーン・エリザベス号。両船のその豪華さはもとよりその大きさにとってもこころ惹かれていた。モノクロームの写真だったが、その壮麗な姿に憧れていた。

クイーン・メリー号は1934年進水、長さ310m。クイーン・エリザベス号は1940年進水で、長さは314mだった。
現在、クイーン・メリー号は2003年進水の二代目で長さ345m、クイーン・エリザベス号は2010年進水の三代目になり、長さは294mを誇る。

今回は世界一周の途中寄港で、船を所有するキュナード・ラインの本拠地サウサンプトンを出て4か月で世界一周する。ちなみに一番高い客室を利用すると2千万円と少し、いちばん安くて2百万円と少しといった料金体系だという。私はそんな船旅は興味がない。金もない。

私が港に着いた頃には、エリザベス号は大阪港は天保山(てんぽうざん)桟橋に接岸していた。船との距離が近すぎてビルを見ているような気分だった。船全体が見渡せないかとうろうろするうち、向こう岸に渡る大阪市の無料の渡し船を偶然発見し、対岸からその微動だにしない雄姿を堪能した。船は海に浮かんでいるのだけど微動だにしない。幸せ。

そばのおじさんは、対岸に渡ってもなおその全体がカメラに収まらないと嘆いておられた。(レンズの特性のせいもあるのだけど。)

幸せ気分で最寄りの地下鉄駅に歩いていく途中で、美しい外国人の女性とすれ違う。エリザベス号の乗客なのだろうか。彼女となら世界一周のクルージングに出かけてもいいなあ、などと微動する心を楽しみつつ帰路についた。

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左上から右へ。
1 対岸から船首のアップ。
2 煙突は一か所にまとめられている。右方向が船首。
3 後姿は、煙突がなければただの港湾ホテルのように見える。
4 ウェルカムカーペットが敷かれた天保山桟橋。
5 対岸へ連れてきてくれた渡し舟が接岸する。
6 渡し舟の乗り場方面から。
7 渡し舟の船上から。
8 救命ボート。全部で16艇、収容可能人数2,400名だという。
9 あんずの花越しのエリザベス号。