遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ワイマールの風~なぜ独裁が生まれたのか

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■山崎 雅弘 @mas__yamazaki 
3月18日放送の『報道ステーション』の特集「憲法改正の行方…『緊急事態条項』 ワイマール憲法が産んだ独裁の“教訓”」http://bit.ly/1RsnnQ8  見逃した人に。東京大学大学院の石田勇治教授(ドイツ現代史)が監修。

ありがたいことに、山崎雅弘が見逃した人のためにツイートしてくれたので、私も上記ウェブで見学。「報道ステーション」を去るにあたって、古館伊知郎は安倍自民党が粛々と推し進めようとしている憲法改正の目玉条項「緊急事態条項」の危険性を強烈に批判。一泊三日の強行軍で古館はワイマールに飛んで現地取材を敢行した。

番組特集では、ワイマール憲法に潜んでいた緊急事態条項を使ってヒトラーがどのように独裁政権を築き強固にしていったのかが端的にまとめられていた。

虫唾が走るヒトラーの演説や表情や、それを支持する悪魔のような取り巻きや騙されている民衆や、目を覆いたくなるユダヤ人の強制収容所などが記録されたフィルムを使って、現在のワイマールの映像をオーバーラップさせて、地獄のようなヒトラー時代を再現した。

スタジオでは、長谷部恭男早稲田大教授が、自民党憲法草案とワイマール憲法の「緊急事態条項」の相似性を解説。しかも、仮に「緊急事態条項」を導入し、「緊急事態宣言」が発せられた場合も、日本には、高度に政治的な問題について裁判所は判断を避けるという「統治行為論」があることを示唆。つまり、司法によるコントロールも期待できないと解説。

この長谷部の指摘は重要で、大統領制ではない「議院内閣制」の「三権分立」が持つ悲しい宿命だと認識されたい。なので、事実上権力を掌握した政府が暴走すれば制御する術がないのだ。長谷部は、緊急事態条項は憲法で条文化するのでなく、関係法をつくれば事足りると言う。

だから、いま安倍が進めようとしている憲法改正は、我が国にヒトラーのような人物を誕生させるかもしれない危険性をはらんでいるのだ。番組で古館は「今ではなく遠い未来に、法を悪用する変な人が出てきて~」と何度も念押ししたが、それを言えば言うほど、その変な人に安倍晋三が該当していると聞こえる。しかも、自ら考えることなく、「誰か」に入れ知恵されたような変なコピペ男なのだ。「誰か」とは、安倍を取り巻く薄汚れた精神の身内や政治家や官僚や資本家かもしれないし、ヒトラーかもしれない。

いずれにせよ、営々と築いてきた国家が一握りのコピペ男や薄汚い官僚に潰されてはたまらない。過ちは繰り返してはならないのだ。