遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ニューヨークのチャップリン

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画像は、1918年ニューヨークのウォール街第一次世界大戦の勝利を祝う群衆。

おびただしい群衆の顔を見ると、みな笑顔である。この画像と別角度で撮られた写真も残っているが、そちらの写真の方がさらに群衆の笑い顔が確認できる。

人々の視線の先には、ダグラス・フェアバンクスに担ぎ上げられている、チャールズ・チャップリン(1889 - 1977)が帽子を振る姿がある。

時のスーパースターと戦争勝利を祝おうと押し掛けた群衆に応えるチャップリンである。彼はまだ無声映画で成功を成し遂げたばかりの29歳で、この後、まだまだ長い成功への階段を駆け上ったのである。

話は変わるが、昨日、「ごぶごぶ」というテレビ番組の再放送を見ていたら、スティーブ・ジョブズが「生涯一美味い寿司屋」という京都のすし岩で食べたトロを、同店で浜田雅功と田村淳が「うま~い!!!」と言いながら食べていた。なんでもジョブズは1貫3000円のトロを7貫食べたらしい。

チャップリンに話を戻すと、彼が初来日した際に、東京の日本橋の天ぷら屋花長で、エビの天ぷらを36尾食べたという話を、ジョブズのすしエピソードで思い出した。
チャップリン、あの小さい体で36尾はすごいことだが、日本食はヘルシーだと再認識もした次第だ。

チャップリンは、歌舞伎もことのほかお気に入りだったようだ。
同席した淀川長治が「お客が腹を抱えて笑っている歌舞伎を見て、彼は悲しい哀しいと言うんですねえ、びっくりしましたねえ」と話していたエピソードも思い出した。

彼の初来日は、1932年のことで、東京駅に着いたチャップリンを出迎えた群衆は4万人と伝えられている。1918年のニューヨークの群衆を彷彿とさせた出来事だったのだろう。