「青いドレスのマルガリータ王女」(1659)
17世紀、スペインとオーストリアのハプスブルグ家は、女子が行き来して婚姻を繰り返すいわゆる政略結婚がおこなわれていた。マルガリータ王女はいまこのようなお姿ですと、ベラスケスが描いた肖像画がハプスブルグ家へ何度か届けられた。その名残で、現在はウィーンの美術史美術館に、マルガリータ女王の3歳5歳8才時の肖像画が所蔵されている。私もこの美術館で本作を観ている。
マルガリータは、1666年に15歳でハプスブルグ家に嫁いでいる。
本作はベラスケスが亡くなる前年の作品で、彼の芸術の集大成と言ってもいい作品。なんの工夫も小細工もなく、ありのままの王女を描いた、非の打ちどころのない正統派絵画。
「何か文句あるか?」
「(無言で平伏)」