遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

お別れの言葉/野坂昭如葬儀

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野坂陽子
野坂が亡くなる間際まで言い続けてきた大事なことは「戦争してはならない。巻き込まれてはならない。戦争は何も残さない。悲しみだけが残るんだ」。
火垂るの墓』はたくさんの外の国で読まれています。できれば、日本の大事な一冊の本になってほしいと願っています。

野坂さんの一番大事にしていた言葉。素晴らしい文章も、作品も、戦争童話もたくさんありますけど、僕が大好きな言葉は「二度と飢えた子供の顔は見たくない」。
もう1回言います。「二度と飢えた子供の顔は見たくない」。

野坂昭如。それは僕らにとって単なる一個人の名前ではない。1960年代という反抗の季節に生きてきた世代は、あなたの名前を一つの旗印のように感じていた。野坂昭如とはそんな時代の象徴であり、合言葉であった。

黒眼鏡で白いスーツに身を包んだスマートな歌手のあなたが見られなくなっても、厳しい筆致で日本の政治のだらしなさを叱責したり、原発反対の筆を置かず、日本の前途を憂い続けられました。「このまま進めば、やがて日本は滅びる」と、病体のまま言い続けてきた野坂さんの声を忘れない。

合掌