遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

肥後橋・大同生命・日本女子大・あさが来た

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大阪駅から南に1キロほどのところに肥後橋がある。

かつて肥後熊本藩蔵屋敷があり、その名残として肥後橋命名されたという。今は橋の名として、オフィス街の「肥後橋エリア」としても有名である。かつての熊本藩蔵屋敷に建つ蔵には、熊本からやってきた米が保管されていた。

肥後橋も含む大阪の堂島は、江戸時代の米取引の中心地であった。米取引はその後現物取引から先物取引に代わっていく。米相場(先物取引)が堂島から始まる。世界で最初のデリバティブは、ここ大阪から始まった。その関連から、現在わが国の債券先物取引などのデリバティブ取引は、大阪証券取引所に統合されている。

さて、肥後橋を南に渡った東側に、大同生命の本社ビルがある。その大同生命のルーツをたどっていくと、加島屋にたどり着く。加島屋は、現在の朝ドラ「あさが来た」の主人公あさのモデル広岡浅子の嫁ぎ先であった。今のビルの前にはヴォーリズ(心斎橋大丸の設計者)設計の旧大同生命ビル(画像上)が建っていて、そこは加島屋の広大な屋敷跡だった。

浅子は広岡一族とともに、銀行(加島銀行:昭和恐慌で廃業)や生命保険会社(大同生命)などの金融システムを確立したすごい事業家であった。

その加島屋のすぐ近く、今の住友倶楽部が建つ地に、梅花女学校(1878年創立)があった。そこの教師成瀬仁蔵は日本における女子高等教育の開拓者の1人で、広岡朝子の援助により目白に三井財閥の土地を寄贈され1901年に日本女子大を創立した。
「女に教育はいらない」という思想に反骨心を抱いて成長した浅子の真骨頂である。

朝ドラ「あさが来た」。あさを演じる波瑠は、広岡浅子のイメージとは少し違うというか、線が細いと思うが、「あっけらかん」とした感じは浅子もそうなんだろうなと思う。この朝ドラ視聴率も好調らしく、私は家人が見ているのを何となく見ている感じ。今後ドラマは、銀行や生保や女子大を起こすあさを描いていくのだろうな。楽しみだ。

また、このドラマの主題歌「365日の紙飛行機が大好きだ。
あさの開放的なあっけらかんとしたところが、歌にもよく出ていてよろしい。初めは嫌いな秋元康の作詞で「なんだかなぁ感」だったが、彼の仕事と人格は別物だと割り切った。
「♪明日頑張ろう」でいい。
また、AKBの大阪出身の山本彩(さやか)が、さわやかでよろしい。初めは「口先歌唱」が気になったが、今はそれも個性だと納得した。
365日の紙飛行機 Short ver. / AKB48[公式]