遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

オバマとプーチンの“ハドル”

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トルコで開催中のG-20経済サミット。パリのテロを受けて、急きょオバマプーチンが会談。ハドル(huddle;急ぎの作戦会議)とCNNは表現していた。さしずめ、オバマがクオーター・バックでプーチンはランニング・バックといったところか。

通訳を介して二人は35分にわたって何事かを語り合った。場所は飲み物などが用意された控室のようなところ。彼らが話し合っているソファは、カメラマンからそう遠くないところで、その様子が映像で何度も流れていた。彼らは何を35分も話し合ったのだろう。オバマのなりふり構わぬ、問題解決を図ろうとする様子がうかがえる。あるいは、あえてカメラに撮らせたアサド(シリア大統領)へのけん制ともとれる。

オバマプーチンとアサドとIS(イスラム国)の四角関係は泥沼化しているが、この35分は、そこから何とか抜け出そうというオバマの声かけなのかもしれない。
プーチンは「シリアでISやテロ組織と本当に戦っているのは、アサド大統領のシリア政府軍とクルド人部隊だけだ」という主張をそうは簡単にひっこめないように思うのだが、このハドルで作戦はどう変わるのか。それにつけても、私はアサドは悪魔にしか見えない。

ロシアのシリアへの空爆は、反政府主義者への攻撃も含まれていて、シリアの難民を作り出しているのはISと「シリア+ロシア同盟軍」なのである。一方、アメリカを中心とした「有志連合」も、誤爆を伴う空爆に現れているように事態収拾に一歩も近づいていない。後藤さんたちをナイフで殺害した容疑者をピンポイント爆撃で殺害したと、小さな成果がニュースになるくらいである。

パリのテロを契機に、シリア問題はますます泥沼化してきた。シリア難民が続々と押し寄せるヨーロッパは、戦場と化するのだろうか。とりあえず日本政府は、G-20の安倍のようにまったくもっていまのところ相手にされていない存在なので、そのままバックスタンドで静観していなさい。ルールがわからないのだから、ピッチに立ってゲームなどできないのだよ。だから静かにしていなさい。