遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ソーシャル・ネットワーク/デヴィッド・フィンチャー

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原作 ベン・メズリックfacebook 世界最大のSNSビル・ゲイツに迫る男』
日本公開 2011年1月15日  上映時間 120分

今回のパリの同時多発テロで、Facebookはいち早く安否を確認できるサービスを始めた。1995年の阪神大震災で安否確認に数日を要したことを思えば、facebookは夢のようなツールに違いない。

この作品「ソーシャル・ネットワーク」は、マーク・ザッカーバーグfacebookを立ち上げた時のエピソード原作をもとに作られた。ほぼ史実に基づいていると本作のエンドロールで紹介されていた。

マークはガールフレンドとケンカ別れをした夜に、彼女の悪口をブログに書き、自分が所属するハーバード大学の学生情報のデータベースをハッキングして、女子学生の「品評会サイト」を立ち上げる。

けんかの腹いせに立ち上げたサイトが、学生たちに評判になる。マークの元へは、ボート部のイケメンマッチョの双子がfacebookの原型となるアイデアを持ち込むのだが、マークはそのアイデアだけをパクって、1000ドルの出資をしてくれたエドゥアルド・サベリンをCFO最高財務責任者)に据え、2人で後のThe facebookを立ち上げるのだった。

その後、紆余曲折を経てTheが取れたfacebookが現在のようなSNSになっていく。その短期間のSNS誕生までの「紆余曲折」と、それにまつわる訴訟とその法取引の場面が混然一体となって流れていく。

この映画は大ヒットし、批評家にも高い評価を得たのだが、私にはあまりワクワク感のない少し退屈な時間を過ごした。年を取り過ぎたか、いろんな人の立派な成功体験を見てきたからか、億万長者へのひがみからか、愉しい部分が少なかった。きっともうすぐ公開のスティーブ・ジョブズの伝記映画の方が面白いと思う。

新米の女性弁護士ラシダ・ジョーンズクインシー・ジョーンズの娘だった!)が魅力的で、一目惚れしてしまった。また、エンドロールに流れるビートルズの「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」に反応してしまった。偶然耳にするビートルズは何とも素晴らしいのであった。