遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

沖縄の基地問題は人権問題だ

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沖縄県の翁長知事は9月21日、スイスで開かれている国連人権理事会で約2分にわたって英語で演説した。アメリカ軍普天間基地の移設計画について、沖縄に米軍基地が集中する実態を紹介し「沖縄の人々は、自己決定権や人権をないがしろにされている」などと訴えた。

演説時間は2分だったが、70年にわたる戦後の沖縄問題が網羅されている。この演説は、沖縄の基地問題は安全保障、平和の問題ではなく、人権問題だということを国際社会にアピールする機会となった。

翁長知事と沖縄は、日本政府と米国政府の多面的で大きな圧力との戦いを余儀なくされている。安保法の廃止と沖縄問題はセットで考えるべき問題だ。共産党を含む野党共闘は、先の総選挙ですでに実現していることを忘れてはなるまい。沖縄県衆議院小選挙区に、与党政党自公の議員は一人もいない。

上記画像のような、辺野古で反対派を封じ込めようとする海保の動きは、まさに人権問題の何物でもないと、翁長知事の演説を聞いて確証を持った。沖縄の人たちは、戦後70年もの間、基地の押しつけによる人権侵害を受け続けてきたのである。これも憲法違反である。日本国民が避けて通れない問題であることを忘れてはならない。

【翁長知事による国連での演説(日本語訳全文)】

ありがとうございます、議長。私は、日本の沖縄県の知事、翁長雄志です。私は世界中の皆さんに、辺野古への関心を持っていただきたいと思います。そこでは、沖縄の人々の自己決定権が、ないがしろにされています。

第2次大戦のあと、アメリカ軍は私たちの土地を力によって接収し、そして、沖縄にアメリカ軍基地を作りました。私たちが自ら望んで、土地を提供したことは一切ありません。

沖縄は、日本の国土の0.6%の面積しかありません。しかしながら、在日アメリカ軍専用施設の73.8%が、沖縄に存在しています。

70年間で、アメリカ軍基地に関連する多くの事件・事故、環境問題が沖縄では起こってきました。私たちは自己決定権や人権を、ないがしろにされています。

自国民の自由、平等、人権、民主主義すら守れない国が、どうして世界の国々とそれらの価値観を、共有することなどできるでしょうか。

今、日本政府は、美しい海を埋め立てて、辺野古に新しい基地を建設しようと強行しています。彼らは、昨年沖縄で行われた選挙で示された民意を、無視しているのです。私は、あらゆる手段、合法的な手段を使って、新しい基地の建設を止める覚悟です。

今日はこのようなスピーチの機会が頂けたことを感謝します。ありがとうございました。