遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

難民を受け入れるドイツ

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百万言を費やしても、一人の人間の心を動かせないというのに、一枚の写真が百万人の心を動かすこともある。

シリアからの難民の3歳児が、トルコの海岸での溺死している写真が全世界を駆け巡った。その結果、世界中が難民問題から目をそむけられなくなった。特にヨーロッパの人たちの声が暖かい。彼らの人種構成や世界観がわれわれ日本人と違うと言ってしまえばそれまでだが、自分たちの政府は、難民を受け入れる態勢にあるのかときちんと問いただすところが素晴らしい。

画像は、どなたかのツイッターで知ったBBCのサイトからのもの。
ドイツのサッカーチームドルトムントのサポータのバナーで「ようこそ難民の皆さん」と書かれている。このバナーだけでも、ドイツ人の民度の高さを示すものだ。
またBBCバイエルン・ミュンヘン(サッカー・チーム)は、練習場をシリアからの難民の子供たちに開放し、練習施設、食事、ドイツ語のレッスンを提供する、そして、難民プロジェクトに100万ユーロを寄付する、とも伝えている。

難民受け入れに積極的なドイツ政府、その意識は広く社会に伝播しているのだろう。私はドイツに一度旅したことがあるが、短い滞在時間のうちに、洗練された古典文化や社会の仕組み、すぐれた工業製品を産み出し風光明媚な土地や自然を持つこの国に一目ぼれしてしまった。その感覚はいまになっても変化がない。

第二次世界大戦から復興(これは実に広範で深淵な意味を持つ)した国の持つ矜持というものを、ドイツに感じる今日この頃である。