遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ザ・ファーム法律事務所/シドニー・ポラック

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日本公開  1993年7月24日 上映時間 155分


20年ほど前に原作を読んで、グリシャムに夢中になり、その後何年かたって映画も観ていた。(テレビで見たのかもしれない)
それ以来の鑑賞。

ハーバードのロウ・スクールの卒業を控え就活中の優秀なる弁護士の卵のミッチ(トム・クルーズ)に、メンフィスの弁護士事務所から破格のオファーが入る。家付きベンツ付き年俸8万ドル+ボーナス付きの生活にミッチは飛びつく。
しかし、弁護士事務所の仕事は多忙を極め、妻との間にすきま風が吹き始める。そんなとき、ミッチはFBIの捜査官(エド・ハリス)に接触され、恐るべき秘密を知ることになる。

優秀だが貧しくてバック・ボーンのない若い弁護士の卵に、悪の手は伸びる。貧しい人間は、金で支配できると言うのが、支配階級の鉄則なのだろうか。格差社会の悲哀がそこにあるが、しかし正義がそれを駆逐できる。
また、貧しくてもボストンでの楽しい生活に戻りたいと訴えるミッチの妻とミッチの軋轢は、男と女のいつでもどこにでもある話だ。愛と金、前者を取るのが正解率85%だと私は思う。

スリル満点でハラハラする場面も、シドニー・ポラックらしい柔らかなしっとりした場面もあり、155分は長くなかった。

ジョン・グリシャム原作の主な作品は以下の通り、原作を読むもよし、映画を観るもよし、もちろんダブルでもよしなのである。

レインメーカー」(1997) フランシス・F・コッポラ監督、 マット・デイモンミッキー・ローク