遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

又吉直樹が買った本

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天声人語に、芥川賞受賞の又吉直樹が取り上げられた。
そのなかに、「僕の生活のリズムは溜息(ためいき)と舌打ちによってのみ出来ている」。10代の頃に書いたこの言葉を後に読み返し、あまりの暗さに驚いたそうだ》とある。

誰にでもそういう時代(人生のステージ)があったはずだが、それを言葉にしていないので客観的に見ることもないのだろう。それが、小説家や文章を書くことを生業とする人との少しの差であろう。あとで振り返って、あんなにみじめな自分はもういやだと思うか、あのみじめな時代が自分を育ててくれた愛おしい、と思うか。

長髪の暗い芸人風情が書いた小説なんか…と、思うお父さんは、おそらく娘や部下とうまく折り合いを付けられないだろうね。又吉の受賞を皮肉ったらしい古館一郎も、そんなおとうさんのようなのか、少し惜しい。

情熱大陸」でも又吉を追いかけていた。
そのなかで、彼がなじみの書店で買い求めた本。

忘れられたワルツ 絲山秋子
末裔  絲山秋子
イタリア再訪日記 橋本倫史
道化師の恋 金井美恵子
バス停に立ち宇宙船を待つ 友部正人
ぼくの星の声―友部正人詩集
飢える大陸アフリカ ロジャー サロー, スコット キルマン 
夢と旅の世界 つげ義春
紅い花 つげ義春カラー作品集 つげ義春
ガニマタ博士 長新太
春歌―小林恭二初期句集 小林恭二
本の魔法 司 修
日本ぶらりぶらり 山下清
戦争のグラフィズム 『FRONT』を創った人々 多川 精一
その他10冊ほど
(少しピックアップして画像にまとめてみました)

いろいろ読んで、たくさん読んで、文章が書けるのだなぁ。

又吉くん、芥川賞受賞おめでとう。「火花」まだ未読だけどね。