遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

安保法制を叱る/村上誠一郎

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自民党でただ一人、安保法制は違憲だと勇気ある発言を繰り返す村上衆議員のインタビュー記事が週刊朝日が掲載されているのでまとめて記事にする。

「安保法政けしからん」 
 自民党唯一の反対派が吠える~村上誠一郎(元行革担当相)

なぜ、こんなことがまかり通るのか。一つは、2013年12月の特定秘密保護法成立で、政府に都合の悪い情報は出てこなくなった。

さらに、14年4月の国家公務員法の改正で600人の官僚幹部人事が官邸に握られた。これで官僚たちは、政権に対して正論も本音も言えなくなった。

自民党の議員も小選挙区制になってから誰も意見を言えなくなりつつある。小選挙区制度の導入で、候補者の公認権と資金を党幹部が一手に握ることになり、党執行部に反対意見を言いづらくなっているからです。ある中堅議員は「集団的自衛権の行使は、憲法改正してから認めるのがスジだ」と言う。だが誰も表では発言できない。そこに危機を感じています。

私が危惧しているのは、こういった憲法解釈の変更によって憲法の基本的原則を変えられる前例を作れば、時の政権による恣意的な憲法解釈によって憲法がねじ曲げられてしまうことです。政府の統治を憲法の下で行う「立憲主義」や「三権分立」に対する挑戦です。次は「基本的人権」や「主権在民」といった民主主義の原則も、解釈改憲で恣意的に変更できるようになる。

安倍政権を取り巻く人たちは、神をも畏れぬ態度で、安保法制を進めている。いまの日本は危機的状況です。(週刊朝日 7月3日号より抜粋)

村上さんの発言から、官僚も自民党議員も首相官邸に首根っこを押さえられていて、はっきりものが言えない状況のようである。まあ、自分の生活もあるので、仕方ない部分もある。なので、悔しいけどじっと我慢の議員たちと、安倍に「よいしょ」の議員たちに分かれるのだろう。よいしょ議員たちのぶざまなところは、広く国民の目に触れた。じっと我慢派の議員たちは、9月に総裁選があれば、勇気を出して反安倍で頑張りなさい。

それと、村上さんも指摘する「安倍政権を取り巻く人たち」である。議員や学者や政財界の一群なのだろうが、今やそのサークルは縮小傾向にある。
憲法改正」の王道を通らずに、姑息な近道を通ったことへのバッシングは、今や国民的な運動にまで盛り上がった。レベルの低いブレーンたちもいるのだろうが、卑怯な手段ほど低レベルなことはない。そのような取巻き=卑怯者たちには、厳しい民の声の鉄槌が下った。

たとえ強行採決が実施されようとも(ほんまにやるのかな?)、この盛り上がりに長生きして良かったと思える今日この頃である。