開催中のFIFA女子W杯、今日は米国VS中国戦を観戦。白いユニフォームのアメリカ女子選手団は、一見それぞれみな溌剌とした表情で、経済的にも政治的にも精神的にも安定した女性たちなのかなと、戦況もほどほどに眺めていた。ベンチでは、控えのワンバックなどが和気あいあいと明るい表情でボールの行方を見ている。ワンバックといえば、チームメイトの女性と同性結婚したお方。
好きな国だからこそ、戦争や差別で傷ついたアメリカを憂いていたし今もそうである。南部で起こった黒人教会襲撃事件のような悲しい歴史はいまだ連綿として続いていて傷ましい。世界の警察であるという地位も、いまだにゆるぎなく、それが権威的で嫌悪感も覚える。しかし、現大統領は黒人だし、次期大統領は女性がなるかもしれない。
ことほどさように光も影もある国だけど、女子サッカー選手を見ていて、「でも、アメリカは自由と民主主義の存在する国だなあ」「日本はいつかアメリカのようになると思っていたら、幻の自由と民主主義だなあ」と、ぼんやり見ていた次第である。
アメリカの連邦最高裁判所は、男性どうしや女性どうしが結婚する同性婚をすべての州で認める判断を示しました。全米で同性婚が事実上、合法化されることになります。(NHKニュースサイトより 6月26日 23時14分)
ところが、宝塚から情けないやらやるせない事態がおこっていた。
兵庫県宝塚市が性的少数者(LGBT)を支援する条例制定を検討していることに対し、24日の同市議会6月定例会で、自民党の大河内(おおこうち)茂太市議(44)が「宝塚に同性愛者が集まってHIV(エイズウイルス)感染の中心になったらどうするのか、という議論が市民から出る」と発言。他の議員が発言の取り消しを求め、議事が一時中断する事態になった。
(朝日デジタル 2015年6月25日)
彼は、いまパフォーマンスして、国政に打って出ようとする若き自民党の地方議員なのだろうが、自民党上層部(日本会議)に追従する前に、自身の立ち位置を見た方がいいだろう。米国は最高裁が同性婚を認めるという時代に、「この部分は、自分の考えを示すことは公の場では控えておこう」くらいの簡単な立ち位置だ。勉強しても彼にはLGBTを支援するようにはならないだろうから、その程度の助言にとどめておく。君が失敗しても、上層部は救ってくれないのだからね。安倍ご機嫌取り勉強会を主催した党の青年局長は、失敗したから更迭されただろう。
この市議の発言は、自ら取り消したようだ。