遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

こういう解説委員に私は受信料を払っている

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沖縄県の翁長知事は23日、現場海域の全ての移設作業を7日以内に停止するよう沖縄防衛局に指示した。防衛局が指示に従わない場合は来週にも岩礁破砕許可を取り消す考えを示した。しかし、政府は移設作業を続行する方針で、知事は法廷闘争も辞さない考えで、沖縄県と政府の対立は泥沼化しそうな気配。

これに関して、少し前になるが2月7日のNHKの解説委員の時論公論というブログで「辺野古移設 作業再開の現場では」という論説があった。

【抜粋】
辺野古移設に対する沖縄県民の反対の意思は、去年行われた選挙で相次いで示される形となりました。
1月、名護市長選挙で、9月、名護市議会議員選挙で、そして、沖縄県知事選挙で、移設に反対する翁長知事が、移設を推進する現職に十万票近くの差を付けて圧勝。12月の衆議院選挙では、4つの選挙区すべてで移設反対を掲げた候補者が議席を獲得し、自民党の候補者は及びませんでした。

政府は、辺野古移設を認めない地元名護市長とはまったく接触を断つ対応を取り続けていますが、翁長知事も、杉田官房副長官とは会談したものの、これまでのところ安倍総理大臣はもとより、沖縄の基地軽減を担当する菅官房長官や移設工事に関わる中谷防衛大臣にも会えない状態が続いています。総理と頻繁に面談を重ねていた仲井真前知事とは対照的です。

こうした中で始まった第三者委員会の検証作業。翁長知事が、検証の結果、法律的に瑕疵があることが判明すれば、承認の取り消しや撤回も視野に入れていると述べる中で、なぜ国は県側の中断要請を無視してまで作業を急ごうとするのか。
県民の中には、作業が後戻りできないように既成事実化を急いでいるのではないかという疑念が芽生え始めています。ただでさえ難しい問題を抱える中で、現場の作業だけが粛々と進んでいくのでは、本来の解決はますます遠のくだけです。

辺野古の移設問題は、地元の反発が強まっている中で作業を進めることで、それが新たな反発を産む原因になるという悪循環に陥りかけています。
沖縄の人たちが選挙で示し続けたのは、「普天間ノー、辺野古移設ノー」という意思でした。それを「辺野古移設か、さもなければ普天間の固定化か」という二者択一を迫るような態度では、沖縄の人たちの、差別され無視され続けているという気持ちが一層大きくなるだけです。そのことを国全体の問題として受け止める必要があります。
(西川龍一 解説委員)

私のように名前を伏せたブログやツイッターでの「批判」は、侮辱や罵倒になりがちなので自戒しなければならないと思っています。
上記のNHK解説委員の記名での解説は、中立の立場で現状認識とその問題点が書かれていると思います。おそらく、政府から見れば偏っている解説でしょうが、お上や上層部からのプレッシャーにもひるまず政府の大人げない態度はおかしいとはっきり示す解説員の態度はジャーナリストとしての鑑といえます、立派です。そういう心ある解説委員のために私は受信料を払っているのです。