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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

井山が棋聖防衛

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囲碁:井山が棋聖防衛 山下九段破り4冠堅持(毎日新聞 2015年03月20日

昨日まで戦われていた囲碁棋聖戦。井山棋聖は3連勝のあと3連敗でどうなることかと気をもんでいたが、最後の7局目を勝利して棋聖を防衛した。

囲碁の7番勝負で3連勝のあと3連敗だったケースは9度しかなく、今回が10度目のケースだったらしい。
今現在囲碁の7番勝利のタイトル戦は棋聖戦名人戦本因坊戦。各棋戦の歴史は、棋聖戦が39年、新旧の名人戦が54年、本因坊戦が70年を数える。合計で160回を超えるタイトル戦で3連勝3連敗で最終局を迎えるのが10回目というレアケースである。

過去の9度の内容と結果は以下の通り。
◇3連勝後3連敗したものの1勝を返したケースは以下の3回
羽根直樹(2004年棋聖戦)、張栩(2005年名人戦)、山下敬吾(2011年本因坊戦
◇3連敗の後4連勝したケースは以下の6回
林海峰(1973年名人戦、1983年本因坊戦)、趙治勲(1983年棋聖戦1984名人戦、1992年本因坊戦)、羽根直樹(2008年本因坊戦

第39期棋聖戦は歴史に残る接戦で井山棋聖が防衛した。井山は年末にバタバタと2冠を失って6冠から4冠に後退。その流れもあり、棋聖戦の7局目は絶体絶命だった。

いつもは、対局場に挑戦者より遅く入る井山だったが、本局は早めに入って対局が始まるまでの時間を利用して碁盤を乾いた布で拭く役を担った。ジンクスを払拭するためかなと思うスタートだった。

3連敗した後4連勝するのはすごいと思うが、3連勝して後3連敗して最終局で勝つというのは、流れからいうと至難の業だと思う。挑戦者の山下敬吾九段の粘りもすごかったし、井山の最後の1勝もさすがであった。二人の年齢を足すとちょうど私の年齢と同じ。素晴らしい若者による歴史的な対局であった、あっぱれ。