遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ホビット思いがけない冒険/ピーター・ジャクソン

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ホビット 思いがけない冒険  The Hobbit An Unexpected Journey
原作 J・R・R・トールキンホビットの冒険
出演者
日本公開 2012年12月14日 上映時間 169分

映画「ホビット 思いがけない冒険映画」のご紹介。本作は、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の3部作の前日譚ともいうべきトールキン原作の「ホビットの冒険」の映画化。この「ホビット」シリーズも3部作となっている。全作、監督はピーター・ジャクソンがつとめている。

ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001年)

●「ホビットシリーズ」の3部作
ホビット 決戦のゆくえ』  (2014年)

ロード・オブ・ザ・リング」は、あの「指輪」をめぐる冒険譚だったが、ホビットシリーズは、自分たちの故郷を奪還すべく冒険を始めるドワーフ族の13人と、彼らに同行する魔法使いのガンダルフホビット庄に住むビルボ・バギンスの冒険物語である。

ビルボ・バギンズ役のイアン・ホルムをはじめ、ガンダルフイアン・マッケランガラドリエルケイト・ブランシェット、エルロンドのヒューゴ・ウィーヴィング、サルマンのクリストファー・リーなどは「ロード・オブ・ザ・リング」の配役のままである。前作から10年以上も経って同じ俳優でキャスティングせざるを得ないほど、前シリーズで強烈で個性的だった面々である。

本作は、ビルボ・バギンズの青年時代を回想する冒険譚なので、さすがに青年ビルボはマーティン・フリーマンが演じる。
ビルボ・バギンズがどのようにあの指輪と出会うのかも、本作で確認できる。

私はトールキンの原作は一切読んでいないのだが、映画のこのシリーズの映像の独創性は素晴らしい。私のような想像力では、原作を読んでもこういう映像世界は、脳の中に広がらなかったと思う。また、個性ある登場人物や空想的な怪獣や妖怪は、挿絵でもなければとても想像できない。いや挿絵があっても動きがイメージできないので、今の時代に生きて、映画という媒体があって、CGという技術が発達していて想像力を満たしてくれることに感謝するしかない。

とりわけ、主人公たちとおびただしい怪物や怪獣たちがダンジョンを縦横無尽にこけつまろびつ移動したりぶら下がったり飛び跳ねたりする映画ならではの活劇シーンは、前シリーズ同様文句なしに素晴らしい。これらのシーンをどのように作り上げるかについての構成力や表現力が、比較的単純な能天気なストーリーに生命力を吹き込んでいて見事である。

本シリーズは、あと2本楽しめる。