ツイッターで知った情報。
朝雲寸言
人質救出は極めて困難な作戦だ。米軍は昨年、イスラム国に拘束されている二人のジャーナリストを救出するため、精鋭の特殊部隊「デルタフォース」を送り込んだが、居場所を突き止められずに失敗した。
作戦に際し、米軍はイスラム国の通信を傍受し、ハッキングもしていたに違いない。さらに地元の協力者を確保し、方言を含めて中東の言語を自在に操れる工作員も潜入させていたはずだ。もちろん人質を救出するためであれば、米軍の武力行使に制限はない。それでも失敗した。
国会質問を聞いていると、陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える無責任な質問と言っていい。
政府は、二つの救出の違いを説明し、海外における邦人保護には自ずと限界があることを伝えなければならない。私たちは、日本旅券の表紙の裏に記され、外務大臣の印が押された言葉の意味を、いま一度考えてみる必要がある。
(2015年2月12日付『朝雲』より)
文中の「日本旅券の表紙の裏に記され、外務大臣の印が押された言葉」とは以下の文言。
『日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣(公印)』
このコラム、要するに、「自衛隊法を改正しても、自衛隊に人質救出作戦遂行能力はない。米国でさえイスラム国での救出作戦に失敗している。国会がイメージしているような人質救出は無理。パスポートに書かれている通り、渡航先の国に保護してもらうほかない」と言っている。
彼らがそう言っているのだからそうなんでしょ。彼らがいちばん冷静に分析しているのではないだろうか。異議なし。