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すき家のワンオペが労働形態の縮図

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すき家ゼンショー25億赤字 ワンオペ廃止で 
2015/02/10 18:31【共同通信
牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスが10日、14年4~12月期連結決算を発表し、純損益は25億円の赤字となった。前年同期は7億円の黒字だった。深夜の1人勤務体制「ワンオペ」の廃止で一部店舗の深夜営業を休止し、すき家の売上高が減ったことが響いた。
 
上のニュースは、すき家アルバイト職員による「ワンオペ」で長時間労働・低賃金労働というシステムをつくり利益を追求していた証左である。このゼンショーのCEOは元東大全共闘である。高校生だった私は、少なからず全共闘のシンパだったのに、今やアルバイトの若者をこき使う経営者に成り下がっていることに憤りを覚える。
 
経営者は、商品の価値、減量、資本、労働のバランスを考えて企業を成り立たせてこそ、経営者と言える。非正規職員、長時間労働、低賃金で安価な労働力を生み出して、それによる剰余価値をかすめ取るのは「経営」ではないだろう。真の経営者が少なくなったと思う。若人よ騙されてはなりませぬ。
 
【関連して】 
なぜ長時間労働・低賃金労働が起きるのか。マルクス剰余価値説から
 
商品の価値 = 原料 + 資本 + 労働
 
例えとして商品を木工の椅子としましょう。その場合原料とは木材で、資本とはつまり機械や工場を示します。そして労働とは木工職人が木を工場の機械に取り付けたり自らの手で切り出したりすることです。この式にわかりやすいように数値を代入しますと次のように考えることが出来ます。
 
 
椅子1つの値段 原料 + 資本 + 労働
1000     = 300 + 500 + 200
 
つまり原料に300円、資本に500円、労働に200円をそれぞれその対価として支払い1000円の椅子を一つ作ることが出来ます。しかしこれでは木工工場の社長はどれだけ椅子を作っても利益が出ません。では利益は何処から生まれるのでしょうか。ここで労働に注目します。仮に木工職人一人を時給200円で雇用していたとします。つまり彼は1時間で椅子を一つ生み出すことのできる労働力を200円で社長に売っているのです。そこで社長は木工職人に1時間で椅子を2つ作るように命令します。木工職人は気合入れて一時間で椅子を2つ作りました。その場合の式は次のようになります。(*は乗算×を意味します)
 
 
椅子2つの値段 原料*2 + 資本*2 + 労働
1000*2     = 300*2 + 500*2 + 200
整理すると
2000      =   1800
 
等式なのに左右は同じ数値になりません。右辺が200少なくなりますが、これが資本家の利益となります。
同じ賃金で長時間働かせるか、あるいは同じ時間内で2倍の椅子を生産させれば資本家は利益を生み出せます。
 
長時間労働・低賃金労働は企業が利益を追求するというシステムに従った自然な結果であり、それゆえに常にこの様な問題はあちこちの企業で発生してしまうのです。