遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

封じ手/第39期棋聖戦第3局

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囲碁の3大タイトル「名人戦」「本因坊戦」と、いま戦われている「棋聖戦」は、2日制のタイトルです。

棋聖戦は全国各地で7局が戦われ、先に4勝した方が勝者となる。今日と明日の第3局は尾道で戦われる。ここまで2局は、井山棋聖が2勝している。

1日目が終わるとき、その手番になった棋士は実際に碁石を置かないで、紙に自分の碁石を置く場所を書き込み封筒に入れて封をします。
これは、実際に碁石を盤上に置いてしまうと、相手の棋士は次の朝まで一晩中その手に対する自分の一手を考えられフェアではないので、最後の一手は封印されて金庫にしまわれます。

翌朝対局が始まると、最初に前日の封筒を開封して、2日目の対局が始まります。この封じ手は、将棋の2日制タイトル戦でも同じ手法が取られます。

画像下は、今日の最終局面です。右上の黄色い▲マークのある黒石を井山棋聖が打ち、その次の一手を山下挑戦者が封じました。画像上は、その封印した封筒を立会人に渡したシーンです。山下挑戦者だけが知る最後の一手は、翌朝開封されて明らかになるわけです。

ところで一日目は、それぞれが23個ずつ石を置きました。そのための消費時間は、井山3時間39分、山下3時間51分でした。それぞれ、8時間の持ち時間で2日間を戦います。ものすごく長く深く考えるゲームで、対戦ゲームで2日制のタイトル戦は日本独自で、珍しい仕組みです。

私は大阪出身で若手の井山4冠を応援しています。井山棋聖(26歳)より11歳年長のかつての王者山下挑戦者も、品格のある魅力的な棋士で私好みであります。

山下が46手目を封じる【第39期棋聖戦挑戦手合七番勝負第3局】
    
井山裕太棋聖山下敬吾九段が挑戦している、第39期棋聖戦挑戦手合七番勝負【主催:読売新聞社】の第3局の1日目が2月5日に広島県尾道市のベラビスタ境ガ浜で始まった。
1日目は16時36分に白番の山下が46手目を封じて打ちかけとなった。この対局は6日午前9時に再開し、同日夜に終局の見込み。