遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ユージュアル・サスペクツ/ブライアン・シンガー

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出演者
日本公開 1996年4月13日
上映時間 106分

あらすじ
カリフォルニア州のサンペドロ港に停泊していた船が爆発・炎上。銃殺体を含む多数の遺体が見つかった。船は実はマフィアの麻薬密輸船であり、船の炎上と多数の死者は、マフィアと対立組織の抗争によるものと思われた。関税局捜査官クイヤンは、ただ一人無傷で生き残った男、ヴァーバル・キントを尋問する。元々はケチな詐欺師であったヴァーバルは、事件が起こるまでの一連の過程をぽつりぽつりと語り始める。
「密輸船爆発の6週間前。ある銃器強奪事件の面通しに、5人の常連の容疑者たち(ユージュアル・サスペクツ)が集められた。元汚職刑事のキートン、マクマナスとフェンスターの強盗コンビ、爆弾製造を請け負うホックニー、そしてキントだった。5人はマクマナスの発案で、警官の汚職が絡んだ宝石強奪を行い、見事成功する。そして取引相手の故買屋レッドフットに新たなヤマをもちかけられるが、そちらは失敗してしまう。大損をくらった5人の前に、謎の弁護士コバヤシが現れ、麻薬密輸船の襲撃を命令する。報酬は9100万ドルだというのだが…」
そして、キントは事件の元凶であり実行者、顔も声も知る者が無く、ただ伝説的な噂のみが独り歩きする謎のギャング「カイザー・ソゼ」の名前を口にする。


今日ご紹介の1本も、おすぎのおすすめ映画。
タイトル「ユージュアル・サスペクツ」はよく耳にしていたし、ケヴィン・スペイシーがオスカー(助演男優賞)を取ったことでも知られる映画だったので、今回はしっかりメモを手にレンタルDVDを探し出した。

ケヴィン・スペイシーの証言を再現するという形式をとっているので、時制が行きつ戻りつする。でも時制がぐちゃぐちゃするタランティーノの「パルプ・フィクション」みたいにスマートでもスリリングでもおしゃれでもないので、体調しだいで退屈するかもしれない。

面通しや容疑者の写真撮影の際の、身長の線引きがされている壁を「マグショット・バックグラウンド」と呼ぶそうだが、その壁に並んだアクの強い登場人物たちは、「イングロリアス・バスターズ」たちほど統制がとれているわけでも魅力的でもない。悪いことするぞというワクワクする感も伝わってこなかった。

「謎の黒幕“カイザー・ソゼ”の正体やいかに」で、最後まで持たせた作品。説明的で奥行きや深さが物足りないと思った。この監督の「ワルキューレ」も観たことがあるが印象に薄い。私の体調が良くなかったようだ。