遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

2度目の訪問、大阪東洋陶磁美術館

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昨日(日曜日)、初めて訪れてから5年経つ大阪東洋陶磁美術館を、再び訪問。

おそらく、大阪のお宝が一堂に会しているのがこの美術館。
安宅産業の倒産で「安宅コレクション」が住友グループに移り、1980年に住友グループ大阪市に寄贈したものが展示品の中心をなす。住友グループは、このコレクションに持参金150億円を付けて大阪市に寄贈した。その持参金のうち18億円を投じた当美術館は1982年に完成している。

阪神大震災に遭っても、コレクションには傷ひとつ付かなかったという。その後、さらに耐震性を重んじた装置の上に展示されているというが、見た目には全く気付かない。展示品の間隔はゆったり取られていて、テグスで転倒防止策が講じられてもいないので、ストレスなく鑑賞できる。

中国や朝鮮の陶磁コレクションが多く、つまり渡来品が主流なので、国宝や重文認定されているものが比較的少ない。
それでも、私のような素人でもその作品群のぬきんでた素晴らしさはよく理解できる。
フォルムや質感や文様や意匠や色付けが素晴らしい。

訪問する人は少なく、私たちとほぼ同時に館内にいた訪問客は、おそらく20人くらいだったと思う。
お近くのお方、関西へ来られたお方、時間があれば中之島に来てこの美術館に足を運んでいただきたい。住友の持参金があるので、よもやあの市長はここのお宝を売ったり、美術館を閉めたりはできないだろうが、多くのお方に見ていただきたい。

ここの作品群を見ると、中国や朝鮮は日本の父や母だなあと思う。誰がどう考えたって、私たちの文化の源は大陸と半島である。

画像は、上段左から

■国宝 飛青磁 花生(とびせいじ はないけ)

元時代 13~14世紀
高:27.4cm

白磁刻花 牡丹文 瓶(はくじこっか ぼたんもん へい)

北宋時代 10~11世紀
高:32.0cm

重要文化財 青磁 鳳凰耳花生(せいじ ほうおうみみはないけ)

南宋時代 12世紀
高:28.8cm

■加彩 婦女俑(かさい ふじょよう)
    
唐時代 8世紀
高:50.5cm