遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

受信料を一部返せNHK

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よく私を訪ねてくれる某業界新聞の記者、男32歳独身。彼はニュースウォッチ9の井上あさひアナウンサーのファンなのだそうだ。しかし、彼女の隣のキャスターのコメントが偏向していて腹が立つとのこと。

でもあさひさんは見たいので、音声を英語にしてニュースウォッチ9を見ているそうだ。英語だとよく意味が分からないから立腹感は半減されるし、英語のリスニングにもなるので、一石二丁なのだという。

あのキャスターの穏やかな物言いに騙されそうになるのだが、確かに彼のコメントは「穏やか」ではない。業界新聞記者とNHK報道姿勢の批判をして、有意義な時間を持てたのだった。そう感じていたのは私だけではなかったのだ。

今般の籾井会長の発言は、取り返しのつかない発言で、彼が辞めないのなら受信料を返して欲しい。NHKの良心部分を差し引いて、一部でいいから返してほしい。

下記のように、NHKの身内も、閣僚や自民党も、怒っているし、識者は呆れている。野党は国会で追及を始めるだろうし、ま、時間の問題だとは思うが、早く辞めてほしい。

NHKの籾井勝人会長は25日の就任会見で、政治的な問題について次々と発言を繰り返した。従軍慰安婦尖閣諸島については、籾井氏の擁立で存在感を隠さなかった安倍政権の主張と重なる発言も少なくない。公共放送のトップという自覚はあったのか。

NHKのある幹部は「トップが個人の心情を公にすればNHKがその方向にかじを切ったと勘違いされる」と指摘。

あるNHKのプロデューサーも「どんな番組を作っても『政権寄りだ』と色眼鏡で見られかねない」と述べ、番組の公正や中立性が疑われるという不安をもらす。

NHK経営委員からも、「なんて節度のない発言をするんだ。慰安婦問題は国際的問題でもあり、辞任につながる恐れがある。我々の任命責任も問われかねない」と怒りの声があがる。

慰安婦問題を扱ったNHK番組でプロデューサーを務めた永田浩三・武蔵大教授は「平和や民主主義、基本的人権が侵害されかねない問題ではNHKはその危険性を国民に伝える責任がある。籾井氏の発言は不見識極まりない」と話す。

閣僚の一人は従軍慰安婦をめぐる発言を受け、籾井氏の辞任を求めた。「メディアのトップとしてあり得ない失言で怒りを覚える。即刻辞任すべきだ」。

自民党幹部も「大変なことだ。クビに関わる。NHK予算もあるから国会審議にも影響するだろう」と辞任論に言及。

同党の石破茂幹事長も「公共放送の立場で何が国益になるのか、経営責任者として判断すべきだ」と不快感を示した。

須藤春夫・法政大名誉教授(メディア論)は、会長の仕事は意見が割れる問題に対し現場に自由に議論をさせ、番組づくりの環境を整えることだと指摘する。 「だがトップがこうした発言をすれば、現場が自主規制する可能性が生じる。公平中立を目指すというが、自ら政府とNHKの距離を縮めたようなものだ」

木宮正史・東大大学院教授(韓国政治外交論)は「従軍慰安婦問題は日韓条約ですべて解決済みというのはあくまで日本政府側の見解。韓国政府はサハリン残留韓国人や在韓被爆者の問題同様、未解決という立場だ」といい、「今回の発言は『日本は女性の人権を軽視する国』とのイメージを生む」と話す。

武田徹恵泉女学園大教授(メディア論)は、公共放送の「公共」には国益という意味に加え、国際社会の「公益」も含まれるとした上で、こう語る。「いま国際社会が望んでいるのは『対話』や『安定』だろう。籾井氏の発言はそこに波風を立てるようなものだ」