遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

手のひらを太陽に/やなせたかし

やなせたかしさんが亡くなられた、つつしんでご冥福をお祈りする。
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NHKの総合テレビで「まんが学校」が始まったのがほぼ半世紀前の1964年4月。
あまりマンガ少年でもなかった私だったが、この番組は楽しくて毎週欠かさず見ていた。司会が新進気鋭の落語家立川談志(28)、まんが指導の先生がやなせたかし(45)だった。
まだ青い談志とは対照的に、やなせさんはダンディで柔和なおじさんで、私はすぐ好きになった。
 
その後50年、いつ見ても、やなせさんからやわらかな微笑が消えることはなかった。私にとっては、ずっとやさしい柔和なおじさんだった。
 
飢えた人にパンを差し出すことこそが、国境を越えた正義だというやなせさんの哲学から生まれたアンパンマンも、誕生から40年を迎える。アンパンマンに育てられた世代がみな、やなせさんやアンパンマンのやさしさを思い出してほしいと思わずにはいられない。
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「手のひらを太陽に」が今日は悲しく心に響いた。生きているから悲しいんだろう。