遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

今夜も生でさだまさし

イメージ 1

番組が始まった当初は、「ついつい」見てしまう番組だった「今夜も生でさだまさし」。

私はさだまさしのファンでもないのだが、いまでは「ついつい」から、「欠かさず」見てしまうになってしまった番組「今夜も生でさだまさし」、略して「生さだ」。

この番組は、NHKのローカル放送局から、その放送局のスタジオに地元の視聴者20~30人を招いて公開生放送される。
番組は、「さだまさしが視聴者から届いたはがきを読む」、時々歌を歌う、といういたってシンプルな立てつけ。
セットは、ホワイトボードにご当地のイラストが描かれているホワイトボードと、届いたはがきのホルダーが乗っているデスクだけ。さだまさしのギャラ以外は、製作費は格安だろうと思われる。

はがきは、ご当地ならではのエピソードがその土地の言葉で紹介されそのローカル色が楽しい。
その他、全国からの老若男女のはがきが寄せられ、そのひとつひとつがバラエティに富んでいて品があって楽しい。はがきを書いて出す人も素晴らしいけれど、その中のいいものを選ぶ人も素晴らしい。
加えて、さだまさしのはがきの紹介の仕方が絶品で、そこから話を膨らませて時事ネタなどに結びつける手腕も名人芸。命の尊さや自然の素晴らしさをまじめに伝える態度に、ファンでもないのに拍手を送りたくなる。

番組は2006年から続いていて、月1回程度ののゆるい定期放送で、土曜深夜24時5分~25時35分に放送される(私は録画もする)。
なので、深夜にはがきを読む番組で、私たちが好んで聞いたラジオの深夜番組のTV版といったところである。
さだの両サイドには、放送作家と音声技師が陣取って、サポートしたり、ゲラゲラ笑っていたりする。私もゲラゲラ笑って見ている。

中島みゆきも「生さだ」のファンだと、自分のコンサート会場で告白したようだが、そのことを告げるはがきも何枚か届いたりしていて、いろんな人と連帯したりリンクしたりも、この番組の楽しいところである。

(画像は、前橋放送局からの「生さだ」で、ホワイトボードには「富岡製糸所」と「尾瀬」が描かれていた。)