遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

砂に消えた涙/弘田三枝子

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少し前、NHKBSで漣健児の歌を集めた番組を懐かしく拝見。

漣(さざなみ)健児(1931-2005 本名:草野 昌一 株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント 前代表取締役会長)

昭和6年(1931年)2月4日 東京に生れる。早稲田大学第一商学部在学中の昭和26年9月に父親の経営する新興楽譜出版社に入社し「ミュージック・ライフ」を復刊させ、編集長をつとめた。
昭和32年 新田 宣夫(にったのぶお)の名前で「赤鼻のトナカイ」を訳詞したのを皮切りに、自社出版物のソング・フォリオ用に訳詞を始める。
昭和35年10月坂本九の「ステキなタイミング」の訳詞を漣健児で発表。以後、当時のアメリカン・ポップスをリアルタイムで400曲以上を日本語化した。

彼の訳詩した歌は、とてもたくさん知っているし、昭和30年代からそれらを歌って大きくなって来た私。
当時の、アメリカン・ポップス(当時は日本の歌だと思っていた)を漣健児が訳した歌詞で歌いまくっていた小学生の私。
しかし、漣健児のことはその番組を見るまで知らなかった。

「赤鼻のトナカイ」ではじめて訳詩の世界に入り、「ステキなタイミング」でプロとしてデビューとあるので、
まさに私が最初に歌ったアメリカン・ポップスは、坂本九が歌っていた「ステキなタイミング」であった。

漣健児が亡くなった年に、レコード会社を超えて編成された2枚組みのトリビュート・アルバムのラインナップは以下に示した。
「砂に消えた涙」や「恋はみずいろ」や「悲しき天使」などは、オリジナルも日本語バージョンも素晴らしいが、
ほとんどの曲が、オリジナルの曲より漣の歌詞で日本語で歌われた方が有名で違和感なく愛唱されていた。

ミーナの「砂に消えた涙」や、マージョリー・ノエルの「そよ風に乗って」は、
オリジナルは素晴らしいが、日本語バージョンもレコーディングされ発売されている。
しかし、残念ながらそれらの出来は、日本語で感性豊かに歌う弘田三枝子バージョンには遠く及ばない。
http://www.youtube.com/watch?v=ZHjkzQGV0Co 「砂に消えた涙」
http://www.youtube.com/watch?v=zugVJ2coOhQ 「そよ風に乗って」

後年、ビートルズのカバー曲を日本語で歌う女性歌手(松岡計井子)がいたが、とてもオリジナルに及ばないものだった。

あらためて(遅ればせながら)、漣健児の世界は素晴らしいものだったと感心するばかりである。
日本のポップスは、彼から始まったのである。

漣健児トリビュートアルバムより
Disc.1 
1. 「ステキなタイミング」 坂本九 
2. 「子供じゃないの」 弘田三枝子 
3. 「可愛いベイビー」 中尾ミエ 
4. 「パイナップル・プリンセス」 田代みどり 
5. 「ジョニー・エンジェル」 森山加代子 
6. 「ノー・モア(ラ・パロマ)」 ジェリー藤尾 
7. 「ネイビー・ブルー(悲しき水兵さん)」 九重佑三子 
8. 「浮気なスー(悲しき恋の物語)」 スリー・ファンキーズ 
9. 「電話でキッス」 ダニー飯田とパラダイス・キング 
10. 「別離」 越路吹雪 
11. 「悲しき街角」 飯田久彦 
12. 「悲しき片想い」 弘田三枝子 
13. 「恋人は海の彼方に」 スリー・ファンキーズ 
14. 「クライ・クライ・クライ」 ベニ・シスターズ 
15. 「砂に消えた涙」 ミーナ 
16. 「花咲く街角」 坂本 九 
17. 「ロリーポップ・リップス」 九重佑三子 
18. 「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」 リトル・ペギー・マーチ 
19. 「想い出の冬休み」 弘田三枝子 
20. 「今日の涙は明日の虹さ」 山下敬二郎 
21. 「涙の小径」 ニール・セダカ 
22. 「好きさ好きさ好きさ」 ザ・カーナビーツ 
23. 「私のベイビー」 弘田三枝子 
24. 「恋はみずいろ」 森山良子 
25. 「ラヴ」 美空ひばり 

  Disc.2 
1. 「ルイジアナ・ママ」 飯田久彦 
2. 「ジェニ・ジェニ」 鈴木やすし 
3. 「すてきな16才」 弘田三枝子 
4. 「大人になりたい」 伊東ゆかり 
5. 「ビキニ・スタイルのお嬢さん」 田代みどり 
6. 「そよ風にのって」 ザ・ピーナッツ 
7. 「ヴァケーション」 弘田三枝子 
8. 「渚のデイト」 伊東ゆかり 
9. 「シェリー」 九重佑三子 
10. 「ロッカ・フラ・ベイビー」 佐々木功 
11. 「G.I.ブルース」 かまやつヒロシ 
12. 「ブーベの恋人」 いしだあゆみ 
13. 「マック・ザ・ナイフ(七首マッキー)」 尾藤イサオ 
14. 「機嫌を直してもう一度」 望月 浩 
15. 「ワシントン広場の夜は更けて」 ダーク・ダックス 
16. 「夜空に願いを」 梅木マリ 
17. 「五匹の仔ブタとチャールストン」 森山加代子 
18. 「ベビー・フェイス」 山下敬二郎 
19. 「抱きしめたい」 スリーファンキーズ 
20.「オブラディ・オブラダ 」ザ・カーナビーツ 
21.「私を愛して」 奥村チヨ 
22.「赤鼻のトナカイ」 坂本 九 
23.「ママがサンタにキッスをした」 斉藤チヤ子 
24.「悲しき天使」 森山良子 
25.「ラヴ」ナット・キング・コール