この作品は、
女子美が所蔵している。
優秀な生徒の優秀な作品は、卒業時に学校が買い上げ、長くその栄誉を讃える。
三岸は63歳でパリに移住したが、
1924年19歳の頃に果たしてパリにわったていたのだろうか、
想像で
エッフェル塔を描いたのだろうか。
いずれにしろ、大胆な筆使いと落ち着いた色調で、
低い空の下、整然とした街にそびえ立つ
エッフェル塔をダイナミックに表現している。
88年前の大正末期に、19歳の少女が、油絵で、パリを描いた。
この頃からすでに
三岸節子は、大らかで大胆だった。
その斬新さは、今も作品に宿っている、ポスターでいいから欲しい1枚である。