引き続き、絲山秋子を読む。
元新聞記者で、ローマにも赴任していたこともある女主人公優子。
そううつ病をわずらい退職して今は画業でなりわいを立てている。
絵を売ってなかなか食っていけないと思うのだが、
とにかく、主人公の境遇は、絲山秋子とほぼ同じような状況である。
そううつ病をわずらい退職して今は画業でなりわいを立てている。
絵を売ってなかなか食っていけないと思うのだが、
とにかく、主人公の境遇は、絲山秋子とほぼ同じような状況である。
男たちと関係を持つと言っても、ED議員やいとこが相手だからというのもあるのだが、
痴漢男以外とはほぼ精神的な関係に終始している。
ただ、彼らとの会話は何ともまったりと好感が持て、これこそ絲山ワールドの真骨頂である。
痴漢男以外とはほぼ精神的な関係に終始している。
ただ、彼らとの会話は何ともまったりと好感が持て、これこそ絲山ワールドの真骨頂である。
「あの薬、ばりばり効いたよ」 「あれ、乗り物酔いの薬」 「え、睡眠薬じゃないの?」 「眠くなる成分は入ってるよ」 「なんだ、優子ちゃんが飲んでる薬かと思ったのに」 「あんなもんあんたが飲んだら明日まで寝てるよ」 「でもほんとは、『眠れるお薬』って言われて胃薬もらってもよく眠れたんだろうな」 「そうそう、そういうのをプラセボ効果といいます。偽薬(ぎやく)のことね」
違う男たちとムダ話で時間をつぶして、時々スキンシップもありで、
優子の時間はゆっくり流れていく。
しあわせはもうすぐ目の前に現れてくるだろう。
優子の時間はゆっくり流れていく。
しあわせはもうすぐ目の前に現れてくるだろう。
併録作品が「第七障害」。