遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

たいこどんどん/井上ひさし

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井上ひさし原作、蜷川幸雄演出の「たいこどんどん」をテレビ鑑賞。

井上の戯作も蜷川の演出も初体験、3時間半を越す大作を楽しんだ。

「たいこどんどん」

作 井上ひさし 
演出 蜷川幸雄 
出演 中村橋之助古田新太鈴木京香宮本裕子、大石継太、大門伍朗、
市川夏江、大林素子、飯田邦博、塚本幸男、立石凉子六平直政瑳川哲朗 

江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、忠実なたいこもち桃八が、ひょんなことから漂流して、拾われた船に連れて行かれたのが東北・釜石。各地を転々とする九年の珍道中がここから始まる。二人には思いもかけないような災難が次から次へと降りかかる。流れ流されたあげくようやく「江戸」に戻ってくると・・・。
若旦那にどんなに裏切られても無償の奉仕を続ける幇間・桃八。社会は激変していっても根本的なところで「なにも変わっちゃいない」日本への静かな怒りや、時代に不意打ちにされつづける大衆への提言。歌や、踊り、お座敷芸など笑いがあふれるエンタテインメントの底には、庶民に向けられる作者の視線が2011 年にもまた同じ強さで光り続けます。

ナマ鈴木京香は、NODAMAPの「カノン」で体験済み。 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/7378184.html

そして、ナマ古田新太は同じくNODAMAPの「贋作・罪と罰」で体験済み。http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/26433926.html

この「たいこどんどん」の古田新太のセリフの多さには舌を巻く、それをまくし立てる。

橋之助の倍はあろうかというセリフの量で、

幇間(たいこもち)の役なので、言葉使いが身上なのだが、

三味線を弾き富本節を唄う、芸の広さまで見せ付けてくれる。

橋之助古田新太は出ずっぱりで、場面ごとに衣装がころころ変わる。

その他の役者は、ひとり何役もこなしていて、これまた衣装やカツラがころころ変わる。

一部ミュージカル仕立てになっていて、出演者たちは何曲も歌わなくてはならない、

さぞかし稽古は大変だったろうな、

それにしてもナマで4時間近い舞台を作り上げるという作業は、大変なことだ。

井上さんの原作なので、蜷川演出でも肩の凝らない、

笑いもたくさんの楽しい舞台であった。