遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

モーツァルト:クラリネット協奏曲、フルート協奏曲

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モーツァルト:クラリネット協奏曲、フルート協奏曲 、ファゴット協奏曲


1 クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
2 フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313
3 ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191


吹奏楽の日本一の実力校、全国大会金賞28回を誇る大阪府淀川工科高校。

この吹奏楽部で、全国大会の出場メンバーをセレクトする方法。

たとえば、クラリネットの奏者8人から4人を選ぶとする。

誰が演奏しているのかわからないようにして、クラリネット以外の他のパートの部員たちが、

純粋に8人の演奏だけを聴いて、挙手で投票して多数決で上位4人を選び、

出場メンバーとするのである。

だれだれ君は実力者だからという先入観が邪魔をせず、

来年は出場機会がない3年生だからという温情も働かなくて、

この演奏者を伏せて実施するセレクションは実にフェアで、

厳しいけれど誰もが納得する方法だなぁと、感心した覚えがある。



さて、今日ご紹介の1枚は、

モーツァルトの「クラリネット協奏曲」「フルート協奏曲」「ファゴットバスーン)協奏曲」の

3曲が挿入されているウィーンフィルハーモニー管弦楽団のアルバムである。

オーケストラの楽器ごとの首席奏者はどのように決まるのかよく知らないが、

このアルバムは、1974年と1975年の録音当時の、

ウィーンフィルのそれぞれの首席奏者が独奏を担当している。

指揮は、カール・ベーム


ジャケットには、クラリネットファゴットしか描かれていないが、

オリジナルアルバムは、この二つの楽器をソロとする協奏曲のカップリングだったようで、

フルートも加えてCD化されたようである。

何を付け加えられても、何の問題もないアルバムに仕上がっている。


今年の夏、私はこの1枚をよく聴いて過ごしていて、


体感温度は2度ほど下がる効果がある。(冬なら2度ほど体感温度は上がる。)

加えて、3つの楽器の独奏楽器の演奏は、実にクールな演奏で、

初めて耳にしたファゴットの協奏曲も、コロコロと小気味いい演奏で、

苔から玉のように沁み出す清流のごとき心地よさである。


言うまでもないことだが、独奏者を支えるウィーンフィルの弦のしなやかさに、

心身ともにリラックスしていただけると思う。