遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

総合診療医 ドクターG

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総合診療医 ドクターG

NHK総合テレビ 木曜 午後10時~10時45分

2010年度にBSで放送し、反響を呼んだ番組が地上波にやってくる!!
病名を探り当てるまでの謎解きの面白さをスタジオで展開する新感覚の医療エンターテインメント番組


「ドクターG(General)」が帰ってきた。

患者(実在)のさまざまな症状や生活習慣から、病名を当てるという番組。

スタジオで番組を進めていくのが、

全国各地で実際に患者の治療に当たっている総合診療医(ドクターG)。

スタジオで展開されるのは、かなり学術的なカンファレンスで、

ドクターGが実際に手がけた患者さんの病気を、

全国の病院からスタジオに集まった若き4人の男女の研修医が推理していく。

最後に若き研修医たちそれぞれが、つきとめた病名を披露するのだが、

それが正解かどうかというより、ドクターGとのやりとりが

シリアスで専門的で、だからこそ素人の視聴者にもとても興味深い。

このたっぷりと時間をとったやりとりが、この番組のツボである。

病名を探るという行為は、患者のためのベストの治療を行ない命を救うこと。

そのために症状の細部にいたるまで検証を重ねる。

こういう医療チームにかかりたいと、誰もが思う素晴らしいカンファレンスが展開される。


日本中の医師が、この番組に登場する準レギュラーである数名のドクターGであったらなと、

思わずにはいられない。

今週のドクターGは、福井大学医学部の救急医(画面右)で、

何度かこの番組に出演しているER総合診療医。

検査だけでなく問診にも重きを置く、実に患者思いの素晴らしい医師。

患者への目線が決して「上から」ではないところが感動する。

素晴らしいという言葉はこの医師のためにあるような言葉である。


救急は患者の死の現場に一番近い場所にいるので、

死に遭遇した患者の家族から、非難されることもある。

他の医師なら助かったかも、他の病院なら死ななくてもよかったのかもと。

それは、家族として「正常な悲嘆反応」だから、受け止める覚悟を持ちなさいと、

番組の最後に、4人の研修医に伝える。

肉親の急な死を目の前にした家族は、一時的な「新しい患者」なのだから、

その新しい患者のケアもするのが医師の務めだと、スタジオで説く。

後進に、医師としての覚悟を説き勇気を与えるすばらしい場面であった。

研修医もこの番組出演を機会に、間違いなく立派な医師になってくれると思う。


本物のドクターと、本物の若き研修医のバーチャルなスタジオ医療教室には、

命をめぐる崇高な使命感があふれていて、何度見ても感動してしまう。


多くの人に見てほしい素晴らしい番組である。