遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

青響/東山魁夷

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暑中お見舞い申し上げます


今日の1枚は、1960年東山魁夷52歳の時の作品、

「青響」(東京国立近代美術館蔵)。


福島県の奥深い山の原生林、ブナの樹の間から一筋の瀧が流れ落ちます。

この作品で、日本画壇での地位を不動のものにし、

その後、魁夷念願の京都(「京洛四季」)を描くことになります。


魁夷は、京都では「人の営み」だけを描きましたが、

この「青響」は、「自然の営み」だけを描いています。

多くを語る必要のない作品だと思います。


この季節、作品に描かれた福島の土湯峠には、

深い緑を湛えた原生林が広がっていることでしょう。