いまだ収束のめどが立たない福島第一原発の事故。私達の努力と世界中の英知を結集し、なんとかこの事態を収めよう。そして、自然エネルギーで地域を潤し、小規模分散型発電でリスクを分散し、安全で公平なエネルギーによる未来をつくりだそう。電力と暮らしは直結している。決めるのは政治家ではなく、私達なのだ。
地球規模でいうと、風力発電量は、
2010年で原発の発電量の約半分にあたるところまで増えてきた。
数年後には、原発の発電量を追い越すという。
わが国では、風力発電は発電量全体の0.7%にしか過ぎない。
太陽光発電で世界の最先端を走っていたはずのわが国、
この10年間で、他国の後塵を拝することになり、
ソーラーパネルの生産量は、中国、ドイツに次いで世界3位になってしまった。
自然エネルギーにほとんどシフトできなかったこの10年は、
まさに失われた10年と言えよう。
その原因は何だったのか。
ひとことで言えば、わが国のエネルギー政策の構造的欠陥によるのだが、
本書「今こそ、エネルギーシフト」で、飯田哲也が端的に説明してくれる。
わずか54ページの薄いブックレットだが、
福島原発事故への出口戦略と、
これからのエネルギーシフトについて、
また、来るべき社会に私たちがどう対処すべきか
わかりやすく具体的に提言されている。
本書は、岩波の「世界」の本年5月号に掲載された、
飯田と鎌仲の対談から大幅加筆したものを、
このブックレットにまとめて出版された。
著者二人の印税は総て、
と、東日本大震災被災地に寄付される。