ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン
録音されたのは1965年12月のストックホルム。
その雪景色の中に立つは、オーネット・コールマン トリオ。
中央にコールマン、右がドラムのモフェット、左がベースのアイゼンソン。
これまた一度見たら忘れないジャケット、
数あるブルーノートの、もっとも有名なスチール写真のひとつである。
この作品は、ストックホルムのゴールデンサークルでのライブ録音アルバムである。
私には後にも先にも、彼らのアルバム(LPとCD)はこれしか持っていない。
これ以外は必要ないほどの名盤だとも言える。
新し物好きのヨーロッパでも人気を博した。
フリー・ジャズは難解なジャズだというイメージが有るが、
きっと、大人になって妖しい音楽を聞き過ぎたからだろう、
オーネットをいま聴くと、聴きやすい部類の音楽だと感じるから不思議だ。
ハード・バップのようにスリリングな「1.フェイセス・アンド・プレイセス」
少しだけ不共鳴な怪しい響きの、でもきれいなバラードの「4. ドーン 」。
4曲のバランスはオーソドックスで大変よろしい。
なかでも「1.フェイセス・アンド・プレイセス」は、
ドラムのモフェット、ベースのアイゼンソンがビビッドな演奏に乗って、
オーネットが縦横無尽に吹きまくるのが圧巻である。
曲の途中で、おそらくモフェットだろう、かん高い雄叫びをあげるが、
自分でも素晴らしいと感極まったのか、とてもいいアクセントになっていて印象的である。
ライブ録音ならではの臨場感が満喫できるのである。