遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン

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ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン

オーネット・コールマン (as,tp,vin)
デヴィット・アイゼンソン (b)
チャールス・モフェット (ds)

曲名
1. フェイセス・アンド・プレイセス
2. ヨーロピアン・エコーズ
3. ディー・ディー
4. ドーン


録音されたのは1965年12月のストックホルム

その雪景色の中に立つは、オーネット・コールマン トリオ。

中央にコールマン、右がドラムのモフェット、左がベースのアイゼンソン。

これまた一度見たら忘れないジャケット、

数あるブルーノートの、もっとも有名なスチール写真のひとつである。


この作品は、ストックホルムのゴールデンサークルでのライブ録音アルバムである。

私には後にも先にも、彼らのアルバム(LPとCD)はこれしか持っていない。

これ以外は必要ないほどの名盤だとも言える。


オーネット・コールマンは、60年代のフリー・ジャズの旗手で、

新し物好きのヨーロッパでも人気を博した。

フリー・ジャズは難解なジャズだというイメージが有るが、

きっと、大人になって妖しい音楽を聞き過ぎたからだろう、

オーネットをいま聴くと、聴きやすい部類の音楽だと感じるから不思議だ。


ハード・バップのようにスリリングな「1.フェイセス・アンド・プレイセス」

のどかでユニークなサウンドの「2.ヨーロピアン・エコーズ」「3. ディー・ディー」

少しだけ不共鳴な怪しい響きの、でもきれいなバラードの「4. ドーン 」。

4曲のバランスはオーソドックスで大変よろしい。


なかでも「1.フェイセス・アンド・プレイセス」は、

ドラムのモフェット、ベースのアイゼンソンがビビッドな演奏に乗って、

オーネットが縦横無尽に吹きまくるのが圧巻である。

曲の途中で、おそらくモフェットだろう、かん高い雄叫びをあげるが、

自分でも素晴らしいと感極まったのか、とてもいいアクセントになっていて印象的である。

ライブ録音ならではの臨場感が満喫できるのである。