ご存知、唐招提寺。
唐から海を渡って来られた鑑真和上が、759年に創建された古刹。
ここの金堂は、10年の歳月がかけられ大修復され、
その修復のもようはTVのドキュメンタリー番組で繰り返し見ていて、
早く現物とお会いしたいと待ちかねていた。
南大門をくぐると、目の前には金堂(国宝)が翼を拡げたように私たちを迎えてくれる。
ここは子どものとき以来、2度目の訪問で、この光景だけが思い出として胸に刻まれていた。
左右対称が必ずしも美しいと思わない変人な私だが、
灯篭を真ん中にシンメトリーに拡がるこの美しさにはひれ伏すしかない。
大屋根の棟の両端を飾る鴟尾(しび)のうち、
「天平の甍」と呼ばれた天平時代の旧いものに代わり、
今回平成の鴟尾が作製された。
その一部始終もTVで拝見したが、現代の瓦製造職人さん2人×3組が、
焼きあがりの高さが1.5mにもなる3体の鴟尾を作製し、
そうのうちの一体が、いま、向かって左端の屋根を守っている。
金堂の威風堂々とした屋根のもとには、盧舎那仏坐像や千手観音立像など、
国宝が安置されている。
唐招提寺金堂は、まぎれもない日本の「国宝館」なのである。