関西ではメディアに登場すること多く、準レギュラー番組もあったほどである。
今思えば、高田管長は、東塔を残して焼けていた薬師寺の伽藍を再建するために、
副住職に就任して亡くなるまでの半世紀を、薬師寺の復興にかけたお方であった。
金堂(1976年)や西塔(1981年)の再建にかけたお方なのであった。
修学旅行生への法話は、高田管長が築いた伝統がいまも息づいていて、
私たちが訪れたときも中門内の一角で、若い僧侶が修学旅行生を相手に、
若い大きな笑い声が絶えない、ユーモアたっぷりの法話を聞かせているところであった。
8世紀に建立された東塔は、まもなく解体され10年におよぶ大修理に入るという。
若い西塔と、落ち着いたたたずまいの東塔のバランスは絶妙で、
1300年の時の流れを思わずにはいられないのであった。