遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

観光大国になれるか日本

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旅チャンネル」という、海外、グルメ、温泉、紀行等の

旅番組を専門としたチャンネルがある。

なかに、ミシュランのフランス語版日本ガイドブックを使って、

日本中を旅する番組があり、

出演しているのが日本でコーラスデュオをしている、

フランス人の男女。

彼らは、フランス人らしくなく、

いつも上機嫌でお行儀よく愛想を振りまいて、

私たちを日本の名所に誘ってくれる。

ま、ミシュランのガイドブックがおすすめするおいしいものを食べ、

名所や旧跡を巡っていい体験を重ねれば、自然とご機嫌になるのだけど、

そのフランス人が楽しんでいるので私たちもそこへ出かけて、

同じ体験をしてみたくなるのである。


さて、観光大国を目指そうという日本だが、

外国人の入国者数が年間で約730万人(2006年実績世界で30位)で、

フランスを訪れる人の約7910万人と比べるとあまりの少なさに驚く。



国別では、韓国からの訪問が一番多くて約260万人、

続くのが台湾の約140万人、中国の94万人、米国82万人、

香港43万人、英国22万人、豪州22万人、タイ17万人、

カナダ17万人、シンガポール15万人で、

フランスはベスト10にも入ってこない、日本に来ていないのだ。


観光大国になれる3つの条件が、

治安がいい、知名度がある、アクセスがいい、ということだそうで、

日本はどれも当てはまる条件を持ちながら、人が来てくれない不思議な国なのだ。


ヨーロッパのように、国境線を共有しているところでは、入出国はたやすく、

たとえば、フランスやドイツやイタリアは、

ユーロを持って気軽に行き来出来るんだろうなと思う。


そういう点では、島国のわが国はハンディを持っている。

しかし島国だからという理由だけではなさそうな気がする、

いったい何の理由で、日本を訪れる観光客がこんなに少ないのであろうか。

円高で物価が高い⇔円安だったときだってやって来なかった

■箸で食べる自信がない⇔フォークもスプーンもご用意しておりますのに

■米国東海岸やヨーロッパから日本はあまりにも遠い
 ⇔米国内やユーラシア大陸を車で延々と移動する彼らには苦痛ではないはず

■言葉が通じなくて不便
 ⇔確かに我々は英語さえ苦手だが、英語圏や東アジアの人たちへの旅行者への思いやりは、
  公的な場所では、十分でなくともかなり親切だと思うのだが

■訪れた人があまりに素晴らしい国だったので、 自分だけの国にしようと素晴らしさを他人に伝えない
 ⇔そんな了見の人は端から日本には来ない

新撰組のような乱暴なサムライに斬られると思っている
 ⇔これがもっとも大きな要因か(笑)

■とにかく日本は嫌いなのだ⇔反省


四季があり、風光明媚で、失われつつあるがまだ自然美はかろうじて保たれていて、

寺社仏閣と各地の美術館には文化遺産がたくさん美しく保存されていて、

清潔で料金体系の確かなホテルや旅館はその周辺にたくさんの部屋数を持っており、

かなり礼儀正しくて優しい国民がお待ち申し上げているというのに来てくれない。

嫌われているんだきっと。


中国には多くの富裕層が形作られてきた、

観光大国を目指すわが国からすれば、金鉱脈のような富裕層である。

平和外交で、その金鉱脈を発掘すべきである。